公開日:2019-03-19
経営数字の管理をExcelからkintoneに変えるシステム開発で、アールスリーは提案力・早さ・費用面でベストなパートナーでした
株式会社わかば経営会計
代表取締役 大磯 毅 様
アシスタント 鍋谷 祐貴 様
株式会社わかば経営会計様は、売上・資金繰り・請求など「会社のお金まわりの管理」ツールをExcelから kintone に変更されました。今回は、Excel管理での困りごと・ kintone やアールスリーを選んだ理由・開発の感想・導入効果についてうかがいました。
株式会社わかば経営会計
株式会社わかば経営会計様と関連会社である税理士法人わかば経営会計様は、経営コンサルティング・財務コンサルティング業務を手がける会社です。税務申告や決算書の作成をメインとする事務所が多いなか、同社は事業再生・M&A・事業承継などを主力業務とされています。そのためメンバーの多くは公認会計士・税理士・中小企業診断士などの有資格者で、業務内容に応じてチームを作り難易度の高いプロジェクトを進行されます。創業は2013年、拠点は4つ、社員は17人。業績も社員も年々増えている勢いのある会社です。
お金まわりをExcelで管理することに限界を感じていた
Q: kintone でシステム構築をされた経緯を教えてください
これまで売上・契約・請求など「お金まわりの数字」をExcelで管理していました。しかし社員数とともに、表の縦に「取引先名」、横に「スタッフ名」と、どんどんセルが増えて表が複雑になりました。Excelを触る人も増え、皆が一斉に触ると作業箇所が競合しますし、作業履歴が残らないのでデータに誤りがないか不安に感じることが増えました。またチームで受ける仕事の売上は「スタッフの貢献割合」に応じて各人に振り分けられて査定に使われます。貢献割合を算出する式はいくつものシートからデータを読み込む複雑なもので、人が増えるたびに式を書き直す必要がありました。Excel管理は限界に達していました。
請求遅れが起きていた
四半期に一度請求するようなケースで請求遅れがありました。請求遅れは売上管理のマスターシートから請求確定分をうまく抽出できない時に起こっていました。
「未来の売上データ」の抽出が難しい
Excelは複雑すぎてデータ加工が難しく、色々な軸でほしいデータを引き抜けませんでした。例えば、過去の数字は分かりますが、1年先までの個人別の売上など「未来の数字」を把握するのが困難でした。
リアルタイムに売上を把握できない
管理会計を運用するうえで「チームごとに売上を把握すること」は重要です。採算意識を持って仕事ができるよう、リアルタイムに売上をチーム別・人別に把握したいと思っていましたがExcelでは困難でした。
もし今もExcelだったら本当に大変だったろうと思います。どこかでデータが壊れてわけがわからなくなっていた気がします。こういうわけで、会社の成長を支えてくれるようなシステムの必要性を感じて kintoneの利用を決めました。
自社の目的にぴったりのツールを作るために kintone とアールスリーを選択
Q:お金まわりの管理に kintone を選んだ理由を教えてください
選択肢として会計事務所向けの専用ソフトもありましたが、2法人への対応はできても、チームの売上・個人の売上を分けて計算するような深い使い方ができませんでした。それで自社にぴったりのオリジナルのツールを作ることにしました。kintoneはもともと知っていました。トライアルを申し込んで試してみたところ、自分たちだけで希望の機能を構築するのは時間がかかり過ぎると感じ、デベロッパーに頼むことを決めました。デベロッパーには2社お会いしました。1社目は取引先の紹介で、その会社が開発した「kintoneの独自パッケージ」を売りたいという内容でした。当社はオリジナルのツールが必要だったので担当の方と話がうまく噛み合わずお断りしました。2社目がkintoneの導入相談カフェで紹介されたアールスリーでした。
Q:アールスリーに決めた理由を教えてください
アールスリーは導入相談カフェですぐに当社のビジネスを理解してくれて、その場でシステムの概要について話し合った結果、良いものができそうと感じました。値段も想定の範囲内だったのでアールスリーに決めました。決めた1番の理由は当社のやりたいことを理解してくれたことでした。
売上は先々まで見通せ、知りたいデータを一発抽出できる
Q:開発した kintone アプリについて教えてください
kintoneでいくつかのアプリを作成しました。できることは、売上管理・見込案件の管理・担当別売上集計などです。会社マスタには取引先の情報を登録できます。会社マスタには「ある仕事」の業務先と請求先が違うパターンでも紐づけて登録できるので便利です。
Q:kintone での業務フローを教えてください
新規案件の引き合いが発生すると、まず見込案件を登録します。この時点で確度や担当者、取引金額も登録するので、受注予測をリアルタイムに把握することが可能になります。その後、正式に案件を受注し、取引先が増える場合はまず「会社マスタ」を作成します。次にお客様と交わした契約情報を登録します。契約情報に登録できるのは、案件の種別・スポットか定期案件かの登録・チーム名の登録・案件におけるメンバーの役割と貢献割合の入力(貢献度に応じた売上額を自動で計算できる。賞与を決める指標になる)です。今ではkintoneからCSVで抜いたデータを計算式の入っているExcelに貼るだけで人別の売上が一瞬で算出されます。
見たいデータのフォーマットを登録できる集計機能はよく使っています。受注見込み確度を人別や確度別で算出できるフォーマット・資金繰り表を作るためのフォーマット・チーム別の売上を算出するフォーマット・自分が請求担当になっている未請求先を検索できるフォーマット・未回収一覧フォーマット。いずれもExcelで手間がかかっていた集計ばかりです。売上予測が簡単になったので売上に対する意識も上がりました。
理解が早く、ポンポンポンと返事がかえるストレスフリーの開発
Q:開発の様子を教えてください
まず使っていたExcelをお見せしました。同様の機能に加えて、色々な数字を抽出できるようにするなど、Excelよりも便利なものにしたいと伝えました。
2回めの打ち合わせではExcelの機能を反映したkintoneを見ながら仕様を固め、1ヶ月弱でしっかりとしたたたき台が上がりました。その後は懸念点の潰し込みのMTGなどがありました。開発中はkintone画面を共有しており、その中にあるスレッド「kintoneスペース」で細かいやり取りをしました。最後の仕上げは「過去データをkintoneに入力するデータ移行」です。Excelの過去5年分のデータを全てkintoneに乗せ替える作業(データ移行)が大変でしたが、アールスリーの和田さんがレクチャーしてくれて、その後自分たちで1〜2日で作業を終えることができました。完成してからはトライアル期間は設けずに全員でkintoneを使い始めました。操作が難しくないのでみんな「すっと」使い始めることができました。
開発期間は2ヶ月ぐらいでした。打合せは3〜4回、対面でお会いしたのは2回ほどです。当社の担当であるアールスリーの和田さんは広島在住で在宅勤務ということもあり、会議ツールZOOMでのオンラインミーティングも行いました。対面で会うことに私達はこだわらないのでオンラインやチャットを使った開発は大丈夫でした。進行もスムーズでした。
鍋谷さん
当社の「売上データベース」や「契約データベース」などの概念をすぐに理解されるのでアールスリーの和田さんは理解が早い方だと感じました。ポンポンポンポンと的確なお返事が返ってくるのが印象的でした。
事業拡大の基盤ができた
Q:kintone の効果を教えてください
データの信頼性向上
Excelでは誤入力の問題やファイル上で競合が生じるなどデータの正しさに不安がありましたが、改変ログが残るkintoneではこの問題は解消されデータへの信頼性が上がりました。
リアルタイムでの売上把握
人別・部門別・月別といった売上実績・予定のデータが瞬時に把握できるようになりました。経営者だけでなく誰もが売上数字を見ることができるので「あと自分はどれだけ頑張らなければいけないのか?」など個々人が意識できるようになりました。
請求遅れの防止
予定売上データを「kintoneアプリ」であらかじめ作成し、そのアプリから請求確定を担当者(案件ごとに設定)が行うフローにしたことで請求遅れがなくなりました。
入金チェックと資金繰りの予定作成が簡単に
未入金案件が即時に把握できるようになりました。これにともない信頼性のある資金繰り予定を作成できるようになりました。給与は固定費で毎月大きな額が出ていきますが、仕事の足が長いものも多いです。資金繰りが正確に見えるようになった効果は大きいです。
経営判断がしやすくなった
売上予定額をリアルタイムに把握できるようになりました。見込み案件を確度別に集計できるので、損益の予想も立てやすいです。報告を要求しなくてもメンバーが売上の現状を入力するだけでリアルタイムに全体売上を把握できるのはとても助かります。経営者側はこれまでほしい数字がなかなか取れませんでしたが今ではすぐに取得できます。
一昨年ぐらいまでは社員が10人以下でしたが、現在は社員(それとともに取引金額)も増え、昨年から組織体制を変更したこともあって経営管理の重要性が増していたところでした。これからの会社の成長に向けて業務の流れをkintoneで整備できたので、事業拡大に自信を持って踏み込んでいけます。お金まわりをExcelで管理していて、事業が大きくなるなかでデータベースを採用する際にはkintoneは値段・作りやすさ・開発スピード・親しみやすい見た目・後から機能を自分で追加できるなどの点で使い勝手の良いツールです。
アールスリーは「当社のやりたいこと」をすぐに理解してくれた
Q: kintone ✕ アールスリーの開発を検討中の方にメッセージをお願いします
アールスリーの仕事は、コスト・品質・スピードなどいい意味で使い勝手が良かったです。kintoneの特徴でもありますが、機能制限がない代わりに開発方法が無限にあります。その中から適切な開発方法を提案してくださり、本当にストレスなく開発を進めることができました。何よりも良かったことはアールスリーが「当社のやりたいこと」をすぐに理解してくれたことでした。「それちゃうねんな」と感じることが全くない、何事にも的確な良いパートナーでした。
貴重なお話しをありがとうございました。
取材2019年2月