公開日:2020-11-25
業務内容を正確に洗い出して、それにマッチしたものを作り出してくれるのがアールスリーさんです
株式会社トップス
総務部 次長 松山 知子 様
総務部 係長 衣笠 正人 様
株式会社トップス様はアニメ・コミック・ゲーム・アイドルのグッズをOEMで企画・製造されており、依頼主のニーズに合わせて対応できる事が強みの会社です。有名アニメのフィギュアやコンビニくじの景品などを国内・海外で製造し依頼主に納品されています。これらOEM商材の販売管理を行うためのシステムをサイボウズ社のkintoneとアールスリーの開発により構築されました。今回は、開発に携わった総務部の松山様と衣笠様に、開発会社の選定理由やkintoneの導入効果についてうかがいました。
インタビューはコロナウイルス感染症が心配される時期だったためオンラインミーティング形式で行い、東京・大阪・沖縄の3箇所を結んで実施しました。
販売管理システムをkintoneでリプレースしたい
Q:今回のkintone導入のきっかけを教えてください
松山様
2019年の11月頃、販売管理システムの保守切れに伴いリプレースを検討しました。旧システムを操作できるのは総務部に限定されていました。営業がExcelで作った「決裁書」の内容を、受注データとして総務部が旧システムに打ち込んでおり、新システムではこの作業を効率化できるものにしたいと思いました。また旧システムはオンプレミスだったので、このサーバー管理も無くしたかったです。
衣笠様
Salesforceなどいくつかのツールを見比べる中で、kintoneに目が止まりました。インターフェースが誰にでも使いやすそうでカスタマイズもでき、利用料が1人あたり1,500円だったからです。これなら営業にも使ってもらえて、システム導入の稟議も通るかもしれないと思いました。この時点で我社が求める販売管理システムをkintoneで作れるのか確信はありませんでしたが、kintoneの開発会社に3社来ていただき相談することにしました。
仕事の進め方をじっくり聞いて、具体的に実現策を提案いただいたことが決め手
Q:開発会社にアールスリーを選んだ経緯を教えてください
松山様
3社の開発会社とのやり取りで、ある会社の営業の方は何を言っても「はい、できます。」というお返事だったので不安を感じました。以前経験した他の開発で「できます。」を連発する営業さんに発注したところ、後々に色々な問題点が見つかって、それらはことごとく「運用でカバーしましょう」と丸投げされたのです。今回もある開発会社さんは「あーできます、それだったらできます。」という軽い感じでお返事をされていたので、このパターンは上手くいかないなと思いました。
その後にアールスリーの林さんが来られて、まず我社の問題点を洗い出してくださいました。「どのように仕事を進めていますか?この機能は本当に実装する必要はありますか?」と、かなり細かいヒヤリングをしてくださって、それならばこの方法でできますよと具体的な提案をいただきました。このヒヤリングに安心感を覚えてアールスリーに発注を決めました。
アールスリー林より
アールスリーは自分達が納得するまでお客様に提案をしません。「この方法なら上手くいく」と思えてから提案を始めます。それまではずっとお客様の業務内容や実現したいことを聞いています。システムの導入は難しいものです。アールスリーは難しいことを知っているからこそお客様に色々質問します。その結果、できないことはできないと伝え、その問題の回避方法も合わせてお伝えします。難しいことを「できないで終わらせないところ」は他と違うと思います。
1回の決裁書入力で後工程でもデータを流用できる高効率のシステムが完成
Q:今回開発したkintoneアプリについて教えてください
衣笠様
今回開発したアプリは、決裁機能を持つ「決裁書アプリ」と販売管理を行う「受注アプリ」「発注アプリ」「請求アプリ」の4つです。営業が決裁に必要となる情報を「決裁書アプリ」に登録し、総務部が操作を行うと受注IDが発番されます。受注IDに紐づくデータが、その後に発生する「発注・請求・支払い」などの各段階で必要な稟議書類や請求書にコピーで反映できる仕組みになっています。このおかげで、営業が一度決裁情報を入力するだけで、受注後に発生する稟議や請求などのすべての工程を簡単に処理できます。また月末まで見えなかった売上数字もリアルタイムに把握できます。
Q:使い勝手はどうですか?
松山様
使い勝手は良いです。本当にありがたいですね。
アールスリーさんに作ってもらったkintoneで決裁書の入力作業が0になったんですよ!
Q:kintoneアプリの導入効果を教えてください
松山様
導入効果は多岐にわたります。
アールスリーさんに作ってもらったkintoneで、総務の決裁書入力作業が0になったんですよ!決裁書は書類で総務に届くのですが、大量に来ると1日3〜4時間、週15時間も持っていかれていました。入力が無くなったことでコロナ対策の緊急対応でも助かりました。急遽フレックス勤務やリモートワークを導入することになり、その立ち上げに奔走したのですが、この時に入力作業が無くなっていたので本当に良かったです。
月末に行っていた売上報告メールも不要になりました。以前はExcelで売上を集計して営業宛にメールをしていました。今では担当者ごとに各自の売上数字がkintoneのポータルに出るので、月末まで分からなかった数字がリアルタイムで確認できます。
稟議も早くなりました。決裁書は、営業・生産管理・役員・社長の承認が必要です。以前は決裁まで1〜2週間が普通で、決裁者が中国出張の時などは止まっていました。これが翌日には決裁されるようになり、早く進めたい案件の稟議書類を探して社内を探し回る人もいなくなりました。今では社長は「どこでも仕事ができる」と喜んでおり、iPadでkintoneにアクセスし、日々決裁を行っています。
iPadで決裁業務をすすめる社長の近藤様
決裁書アプリの導入効果
Before
After
後出しで細かいお願いが出てきても、どうやるかを考えて対応してくださった
Q:アールスリーとの開発の様子を教えてください
衣笠様
最初は対面でアールスリーの林さんに、以前のシステムをお見せして、これをkintoneに落とし込みたいですと伝えました。依頼が決まってからはオンラインでの打ち合わせが始まり、開発責任者の浅賀さんとプログラマーで沖縄在住の與那城さんが参加されました。オンラインでの開発は初めての経験でしたが、聞きたいことはちゃんと聞けましたし、伝えたいこともきちんと伝わりました。画面でアプリの動きを確認しながら口頭で説明を受けるので打ち合わせの内容もスムーズに理解できました。
Q:開発ではどんなご要望を出されましたか?
松山様
ヒヤリングの時に難しいと判定されていた点が、蓋を開けたらできたこともありました。支払い申請という機能で、kintoneの受注画面にその案件にまつわる支払い履歴を紐付ける機能です。おかげで売上に対して仕入れが発生していることが1画面で確認できるようになりました。この突き合わせ業務は、別々のExcelシートに売上情報と支払情報を入力して突き合わせていましたが、今ではkintoneだけで完結します。使いやすくしてくださってありがとうございました!
衣笠様
私は使い勝手の面でのお願いが多かったですね。アプリを最も使うのは営業なので、彼らにとって使いやすいツールにしたかったからです。具体的には、決裁書アプリに入力する際に明細をコピーできる機能をつけてもらいました。例えば、商品名は違うけれど、売上月や納期が同じというケースの明細を入力する場合、上の行をコピーできると便利です。これを叶えるボタンをつけてもらえたので入力作業が楽になりました。他には小数点以下の処理の仕方など細かい点が多かったですね。我社はドルの取引が多いので、ドルから円への計算処理については細かい要望を出しました。打ち合わせをする中で、どうしても後出しで細かいお願いが出てきても、どうやるかを考えて対応してくださったので、とても有り難かったです。ありがとうございます。
アールスリー開発者 浅賀・與那城より
今回の開発では当社が開発・販売をしているツール「gusuku Customine」を活用しました。ノーコードでkintoneをカスタマイズできるツールです。一般的なシステム開発では、仕様書にないご要望を反映することは難しいとされていますが、今回のように開発途中にいただいた「明細をコピーする機能」や「ユーザーインターフェースに関するご要望」に対して、リクエストを頂いてからすぐに反映できたのはこのツールを利用しているためです。
業務を正確に洗い出して、それにマッチしたものを作り出してくれる
Q:最後に、アールスリーの開発を検討されている方にメッセージをお願いします
松山様
私達の業務を正確に洗い出して、それにマッチしたものを作り出してくれるのがアールスリーさんです。どういう書類を使い、どういう工程で仕事を進めているのかを、きちんと見てくださったので安心感がありました。こうしたことは、安請け合いをする感じで注文を受けている開発会社さんにポンと投げてもできないことだと思います。
衣笠様
私がアールスリーさんにお願いしようと思ったのは、林さんが「あれはできる、これはできない、これはこうすればできる」と問題を切り分けてお話してくださったからでした。もし何かkintoneでシステムを組みたいと思っている人がいれば、自分が把握していない問題も掘り起こして整理して提案をしてくださるので、ぜひお願いしてみてはいかがでしょうか。
貴重なお話しをありがとうございました。
取材2020年10月