公開日:2024-11-01
コールセンターが「使いやすい!」と喜ぶアプリが完成し、月300時間の業務効率化にも成功
NTTビジネスソリューションズ株式会社
カスタマーサクセス部 松本 有作 さま
熊谷 譲二 さま
渋谷 智水 さま
NTTビジネスソリューションズ株式会社のカスタマーサクセス部は、NTT西日本グループのコールセンター業務を担当する部門です。同部門では「集合住宅の各部屋の光回線を開通させるためのオーダー作成業務」の進捗管理を行うシステムをリプレースするにあたり、サイボウズ社のkintoneを選定されました。さらにアールスリーの開発支援とノーコードでkintoneをカスタマイズできるgusuku Customineも併用し、新アプリを構築されました。今回は、コールセンタースタッフが「使いやすい!」と喜ぶアプリが完成した開発ストーリーやアプリの導入効果についてうかがいました。
案件管理ツールのリプレースプロジェクトが発足
Q:最初に、以前の案件管理システムの特徴や使い勝手について教えてください。
松本さま
以前はオンプレミスのツールで、インターネット回線の敷設案件を1日あたり最大1,000件ほど進行していました。当ツールを利用できるのは同一センター内のLAN環境に限られ、利用端末を増やすにもケーブルの増設が必要でした。また当センターの業務はフローが複雑なため、ツールだけではできない処理もあり、マクロを組んだExcelやAccessを複数併用する必要がありました。他にもツールの改修は予算の都合などから年に1〜2回が限度であり、使い勝手を改善できませんでしたし、1つのサーバーで運用しているためBCP対策を強化する必要性も感じていました。
Q:色々なツールがある中でkintoneを選択した理由は何でしたか?
BCP対策を実施する等の観点から、リプレースするのはクラウドツールが良いと思いました。保守費用を下げるために内製化でツールを運用したかったので、クラウドツールの中でもノーコードやローコードツールを主軸として探し、その中で1番使いやすいと感じたkintoneを導入することに決めました。
kintoneの内製化と開発初速を上げる目的に対して、最適な提案をくれた
Q:kintoneの開発パートナーに依頼しようと思ったきっかけは何でしたか?
この案件はスピード進行が必要でした。私はSEの経験がありますが、kintoneアプリを開発するのは初めてでした。初心者が一から勉強して作るとなるとどうしても初速が遅くなってしまいます。そこで、開発の初速をあげることと、開発スキルを得ることを目的にパートナー企業を探すことにしました。
Q:アールスリーにご依頼いただいた決め手を教えてください。
アールスリーに依頼した決め手は、私たちがめざすkintone開発の内製化を達成できる提案をしてくださったからです。検討にあたり、ネット検索で見つけたkintoneの開発パートナーや他部署のkintone案件で実績のあるSIerさんら4社を比較しました。他の会社は「決められた仕様で彼らに開発をお任せする」という提案内容でしたが、これに対してアールスリーは、「ノーコードでkintoneをカスタマイズできるgusuku Customineの利用と開発の伴走サポートで内製化を支援する」という提案をいただき、目的である内製化が実現可能だったためアールスリーに決めることとしました。
コールセンターで「使いやすい」「進捗が明快」とアプリが大好評
Q:完成した案件管理アプリの概要とその効果について教えてください。
松本さま
開発したのは、インターネット回線のお申し込みを管理するためのアプリです。主な利用者はコールセンターのお客さま対応スタッフです。アプリの機能としては、ご契約いただく内容をヒアリングしながら案件進行に必要な情報を入力したり、受付状況の確認をしたり、入電時に過去のお問い合わせ履歴を「複数のアプリを横断検索する機能」で見つけたりすることができます。また入力精度を高める工夫や、進捗状況がひと目で分かる機能なども盛り込まれており、スタッフにとって使いやすいアプリが完成しました。
お客さまの情報を入力する画面には、赤字で大きくお客さまのお名前を表示しています。この視覚的な工夫はアールスリーが提案してくださいました。現在入力中のレコードが一目でわかり、入力の正確性が向上し非常に助かっています。
渋谷さま
案件の進捗状況の管理画面では「ワークフロー図」を逐一出すようにしており、緑の枠の位置で進捗が分かります。またレコード内のコメント欄では案件について会話ができるので、同案件の注意点の伝達に役立っています。今までは同じことを書類に赤字で記入する方法で進めていたので、アプリにしたことで情報共有が格段にやりやすくなりましたし、書類を探す時間も激減しました。この機能はコールセンター内で大変好評です。アールスリーの山田さんと鈴木さんのご提案により、良いアプリができたことに感謝しています。
kintoneのトップ画面では、自分の未完了タスクが一覧で表示されます。休暇明けに自分のタスク量を把握したり、新着の案件をすぐにチェックしたりできます。また、周囲の人のタスク量も分かります。
渋谷さま
これまでは書類・口頭・朝礼などで情報共有をしていましたが、周知のためのスレッドだとリアルタイムに情報共有ができるので、休暇中のスタッフにも漏れなく情報を届けることができるようになりました。業務の効率化が一気に進みました!
Q:kintoneは通常1つのアプリ内でしかレコードを検索できませんが、御社のアプリには「複数のアプリを横断検索できる機能」があるのですね。入電時にお客さまの履歴を見つける時にとても役立ちそうですね!
熊谷さま
そうなのです。稼働中のアプリだけでなく、旧ツールのデータも丸ごと入れているので、過去の対応履歴も含めて横断検索できます。入電時にお客さまの特定にとても役立っています。以前は書類で案件管理をしていたので、オフィス内を走り回って過去の書類を取り出していましたし、折り返しお電話を差し上げることになるのでお客さまをお待たせしてしまいました。kintoneでリアルタイムに過去履歴を検索できるようになってからは、書類探しが不要になっただけでなく、お客さまと繋がっているコンタクトの1回1回を大事にするという考えで業務ができるようになりました。
労働時間を月300時間ほど削減でき、柔軟な働き方も可能に
Q:コールセンター全体でのkintoneアプリの導入効果はございましたか?
松本さま
書類がなくなり業務の効率化が一気に進んだおかげで、コールセンター全体で月300時間ほどの労働時間を削減できました。また、大量の書類を管理する手間や、進捗が分かりにくいことによるストレスも解消できました。さらに、テレワークなど柔軟な働き方ができる体制となり、大きな効果を得られたと思います。
開発成功のポイントは、現場見学と柔軟な役割チェンジ
Q:コールセンターの現場に好評で、月300時間もの業務効率化に成功したということですが、使い勝手の良いアプリを開発できたポイントは何だったのでしょうか?
松本さま
状況に応じて開発における役割を柔軟に変更しながらプロジェクトを進めたことと、現場に根ざしたアプリを作ることを念頭に仕様検討をしたことです。
Q:「現場に根ざしたアプリを作ることを念頭に仕様検討をしたこと」についても教えてください。
私のオフィスは大阪なのですが、プロジェクト発足から3ヶ月ほど机上で仕様検討を行っていました。この3ヶ月間はコールセンターの業務フローをオンラインで把握しようとしていたのですが、状況を理解するのは困難で、方向性は決まりつつも詳細を固めることができませんでした。
ここでアールスリーの山田さんから「コールセンターを見に行きましょう!」と提案をいただき、2日間(15時間)の現地見学をしました。実際に確認したところ、リモートでは把握できなかった動きが100個ほども見つかりましたし、現場ではどんな役割の人が何に困っているのかを直接聞くことができました。現地の方にも協力していただきワークフロー図を作り、業務の全体像も把握できました。こうしてセンターの業務を理解した後は、“どんな機能が必要なのか”を共通認識として持てたので要件定義がサクサクと進むようになり、以前の10倍ほども開発スピードが上がったように感じました。そして、全工程をkintone1つで進行できるような計画を立てることができました。様々なツールを組み合わせて業務をしていた現状の把握が本当に大事だったのです。
アールスリー山田
最初は目を瞑って歩いているような感覚でしたが、コールセンターで業務フローをしっかり把握できたことで、前を見て歩けるようになったようでした。「この仕様が良い」と確信を持ってご提案できるようになり「お客さまの業務を理解して使いやすいアプリを開発すること」を強みとするアールスリーの真骨頂を発揮できたと思います。
アールスリー鈴木
センターでは何人ものご担当者さまのお話をうかがいましたが、みなさまが暖かくご対応いただき、詳しい業務内容を教えていただいたおかげで今回のアプリが完成したと感じております。本当にありがとうございました。
使いやすいアプリが必ず開発できる、それがアールスリー
Q:最後に、アールスリーのkintone伴走サービスを検討中の方にメッセージをお願いします。
松本さま
もし私1人で開発をしていたら、期日内の開発完了は、絶対に成し得なかったと思います。アールスリーにお願いをしたことで、リプレースプロジェクトをスケジュール通りに進めることができました。また運用開始後は、kintoneの改修を自分達だけで進めることができるように仕様レクチャーを行っていただいたので、現在は自分達だけでアプリの改善を行うことができ、週に1回のペースでアップデートを行うことができています。
熊谷さま
アールスリーの強みはユーザーが使いやすいツールを作ることでした。山田さんと鈴木さんには感謝しかありません。アプリのおかげで最先端のセンターに生まれ変わったと感じています。
渋谷さま
せっかく作るのだから、現場に即した使いやすいものを、使っていただけるものをということで、細やかなご提案をいただきましてありがとうございました。開発では、コールセンターのスタッフが直感的に操作できるようにと画面の色々な点を細部まで工夫していただきました。私たちの要望の多くはどこのコールセンターでも共通のものでしょう。「使いやすいアプリが必ず開発できる」それがアールスリーだと思います。
貴重なお話をありがとうございました。
取材2024年2月