株式会社 JTB 京都中央支店様 事例紹介

公開日:2022-04-13

BPO案件用の業務アプリ開発と、kintone内製化に向けたサポートを依頼しました。この経験は私たちのバイブルです。

株式会社 JTB京都中央支店
田中 隆介 様
堀 聖矢 様

JTB京都中央支店では旅行代理店業務のほかにBPO(業務運用の請け負い)も行っています。同案件の一つである「予約の受付業務」向けのシステムをkintoneとアールスリーの開発で構築されたので、ご担当者の田中様と堀様に開発会社の選定理由や導入効果についてうかがいました。

10万件/年を超える受付業務をkintoneでシステム化したい

Q:kintone導入前の課題を教えてください

堀様

当社では2020年にコロナの影響で旅行需要が減少したこともあり、BPOが増えました。現在、私はBPO案件の一つである「10万件/年を超える予約受付業務を行なう現場」に勤務しています。私は依頼主さまとの窓口を、田中は同業務のシステムを担当しています。

田中様

kintone導入のきっかけは、同予約受付業務を行なう拠点が2箇所に分かれたことでした。以前は、予約受付を行なう窓口と、窓口でのやり取りを予約枠に入れる業務を行なう部署が同じ場所にありました。2つの部署は共有サーバーに置いているExcel、書類・専用の伝言メモ・内線電話などを利用して連携していました。しかし拠点が分かれるとこの方法が使えないので、情報共有が可能なクラウドツールの利用を検討し、kintoneを採用しました。

自分たちでアプリ作り・保守・運用ができるからkintoneを選択

Q:数あるツールの中でkintoneを選んだ理由を教えてください

田中様

色々なBPO業務を受注するために自分たちでアプリ作成から保守・運用までできるツールを選択したいと思っていました。というのも、現場で働いていると途中で運用フローが変わることも多く、そのたびに業務ツールの修正が必要です。そのような背景から長期的には自分たちで知識をつけてツールの保守・運用をやっていきたいという思いがありました。そこで直感的に使えて、コードを書くことなくアプリを作れるkintoneの導入を決めました。

「自分たちでkintoneを内製化することを見据えた提案」が決め手

Q:開発会社にアールスリーを選んだ経緯を教えてください

田中様

アールスリーはサイボウズ社の紹介で知りました。超短納期の開発であることに対して具体的なスケジュールを提示いただいたことと、自分たちでkintoneを内製化することを見据えた提案をいただいたことが最終的に「ぜひお願いしたい!」と思ったポイントでした。

堀様

田中が申したことに加え、アールスリーとのやり取りにはスピード感がありました。その速さは決定要因の一つでした。

Q:今回はgusuku Deploit(kintone専用のバックアップツール)やgusuku Customine(JavaScript不要でkintoneのカスタマイズができるツール)も採用されましたが、両ツールのことは最初からご存知でしたか?

田中様

最初は両サービスを知りませんでしたが、アールスリーの林さんから「BPOをするならデータのバックアップはしっかり取っておいた方がいい」「少し複雑なカスタマイズをするのであればgusuku Customineがあったほうが便利」とアドバイスをいただきました。お話を伺っているうちに、それは是非あった方が良かろうと思い、導入を決めました。使ってみると、とても便利なツールで導入して正解でした。

大量の予約を受け付けることができるkintoneアプリが完成

Q:今回開発したkintoneアプリについて教えてください

田中様

開発したのは大量の予約を受け付けるためのアプリです。予約者の登録・予約枠の確保・予約内容の変更ができます。

予約の入力画面

アプリがちょうど完成する頃に私たちはkintoneの研修を受けたので、得た知識をもとに完成したアプリを見たり触ったりできました。このことで「やはりプロの開発は凄い」と感じました。例えば、あるアプリケーションに「特定のステータスになった案件の行の色を変える設定」が組み込まれており、緊急度の高い案件をすぐに発見できました。これはkintoneの標準機能ではできませんがgusuku Customineなら可能です。最初に良いものを作っていただいて、プロの知識を吸収できたことは大きかったです。

予約レコードの一覧では、緊急の案件が色付きで表示される

アプリ開発を通じて色々な業務が整理整頓されていった

Q:アプリ開発フェーズの様子と感想を教えてください

田中様

最初は業務内容の洗い出しを行いました。私たちがどのような業務を行っているのか、どんな書類があるのか、電話での具体的なやり取り内容、Excelでの情報共有内容をお伝えしました。これをもとにアールスリーがアプリ構成を1枚の図で提示してくれました。この図では「この業務はこのアプリですればいい」と分かるだけでなく、Excelでは2つに分けていた仕事の内容が本質的には同じなので1アプリにまとめることができるなどの提案もありました。抱えている色々な業務が整理整頓されていて「もうそれでお願いします!」という気持ちになりました。

最初に出来あがってきたアプリでほぼOKの状態でした。変更したのは「現場で使っている用語に書き換える」などの微調整だけでした。2021年11月18日にファーストコンタクトを行い、12月半ばにはアプリが完成しました。とても迅速に作成いただきました。

堀様

アプリ構成図には「私たちのこうしたい!」がギュッと表現されていました。これを発注者様に持って行き、複数拠点でタイムラグなく業務ができるようになること、なるべく個人情報を扱わない仕様にすること、進行状況を把握しやすくなることなど、便利になる点を説明してkintoneの導入にOKをいただきました。長期間の事業なので、私たちがお客様に信頼を積み重ねてきたこともありますが、1番は作っていただいた提案が良かったのでkintoneが採用されたと思っています。非常に嬉しかったです。

Q:アドバイザリーフェーズ(納品後の自社運用をサポートする期間)の様子と感想を教えてください

田中様

まだkintoneのカスタマイズ方法が分からない時に「こういうアプリを作りたい」とアールスリー開発者の浅賀さんにkintone上で何回も質問させていただきました。するととても丁寧にアドバイスを頂きました。親身でレスポンスも早く助かりました。

予約登録の不備が1/10に、電話返答の持ち越しが1/5に、時短に成功し定時退社も実現

Q:kintoneアプリの利用効果を教えてください

田中様

予約受付システムがうまく動いていることに加え、自分たちで色々なアナログ仕事をアプリ化しているので、業務の効率化が進んでいる実感があります。またkintoneを利用しているスタッフからは「便利になった」という感想や「こうしたらもっと良くなる」というポジティブな意見をくれます。現場がうまく活用してくれているのでkintoneアプリを作っている者として嬉しいです。

堀様

トップ画面に重要指標をグラフ表示させることで現状が分かりやすくなり、未対応の案件を減らすというミッションも達成しやすくなりました。

kintoneのトップ画面に重要指標を表示

開発したアプリはバイブル。今後のBPO案件でもkintoneを大いに活用したい

Q:今後もBPOでお仕事を受注されると思いますが、そこでもkintoneを使いたいとお考えですか?

堀様

使いたいですね。情報連携の課題は、多くのお客様が持っておられます。お客様は過去実績をとても大切にされるので、今回のkintoneでの運用実績は強みになります。私は営業担当としてBPO案件を受注し、それをシステム構築が得意な田中に作ってもらうという希望を抱いています。

田中様

アールスリーに作ってもらったものが1番最初に携わったアプリで、私のバイブルです。今後、何かを作る時にどうすれば良いのかがこのアプリを見れば分かります。BPOの現場では常に状況が移り変わります。それに合わせて自分でアプリを作っていけるようになったことは大きな成果でした。最初にしっかりしたものを作っていただいて、かつ研修も受けておいた方が良いとアドバイスをいただいたアールスリーの林さんと浅賀さんに感謝しています。

アールスリー林より

多くのお客様は半年ぐらい自分たちで試行錯誤を重ねてから、どうにも進めなくなってからプロを頼ります。JTB様は初期の段階でプロを使って完成度の高いものを見ておられるので、最短期間でアプリ作成を自力で行えるようになりました。スピード感という意味で1番良いプロの使い方をされたと思います。

ありのままの要望を汲み取って実現化のためにサポートしてくれる

Q:最後に、アールスリーの開発を検討されている方にメッセージをお願いします

堀様

アールスリーにはヒアリングを丁寧にしていただき、要望をしっかりと把握した上でプラスアルファのご提案をいただきました。それに加えて提案までのスピードが速い点が押せるポイントです。

田中様

アールスリーは「ありのままの要望」を担当の方にお話しすれば、それを汲み取って実現化のためにサポートしてくれる会社でした。腹を割って相談をされるといいと思います。

貴重なお話をありがとうございました。

取材2022年3月