プライベートに仕事が割り込むのか仕事にプライベートが割り込むのか

公開日:2022-02-22

こんにちは金春です。

先日社内である事象が発生したのですが、これが仕事の捉え方を考えるうえでいい例になりそうだったので記事にしてみます。

なお、この記事に書くことはあくまでも仕事に対するスタンスに関する思考実験のようなもので、実際の労務管理上や会計上、税務上の取り扱いは各社のルールがあるので触れませんし、それについてのツッコミはご容赦ください。

出張中に発生するプライベートイベント

関東在住の弊社の社員T(誰のことかはご想像にお任せします)に仕事の都合で4日間大阪に来るように命令していたのですが、その出張期間中に社員Tが推している某アイドルのリリースイベントが関東で行われることになったのです。

そしてこの社員Tは、絶対にイベントを外しません。なんならそっちが本業だからです(笑)

さて、これを経営者である自分がどう考えるかがおもしろいなと思った点なのです。

プライベートに仕事が割り込む

この出張命令がなかったとします。

そうすると社員Tはなんの問題もなくイベントに参加できます。イベント参加のために有給を取るかもしれませんが、それは社員の権利なのでなんの問題もありません。

でも、実際には出張命令が出ています。

つまり「命令がなければ普通にイベントへ参加できた世界線に、出張命令が割り込んできた」と考えられます。

ちなみに、実際には出張命令後にイベントが決まったのですが、発生の順番は考えません。なぜならどちらも社員Tにとっては大切なものだからです。順序に関係なく予定の重複が発生した時点で問題なのです。

社員Tはイベントを外さないので、イベント当日は有給を取ってでも行きます。

とすると、そのために関東を戻るときの新幹線代は誰が負担するべきなのか???

個人的にはこれは会社が負担していいんじゃないかと思っています。(実際は就業規則やらなんやらをちゃんと検討しないといけないです)

だって「プライベートが基本にあって、そこに仕事が割り込んでるだけだから」というのが理由です。

命令がなければ、社員Tは新幹線代を払って関東に戻る必要はなかったので、この新幹線代を発生させる根拠を作ったのは会社だと言えます。

なので、これは会社が負担できるようにしていいんじゃないかと思っています。

仕事にプライベートが割り込む

現時点でほとんどの会社がこちらじゃないかと思います。

「会社として出張の前後の交通費は出すけどその間にどこへ行くとしてそれは自己負担」

これはこれで自然ではあります。

出張中に発生したプライベートな予定のための交通費を出すとすれは経費としては認められないというのもわかります。

「出張中に有給取ってプライベートで戻るなんてけしからん!許さん!」という会社もあるかもしれません。
でももし「大阪出張中に1日有給取ってUSJ行きます」ならなんとなくOKな気がしませんか?

この違いはなんなんでしょうか?交通費が発生するかどうか???
でもこの交通費を自己負担するなら問題ないのか???

これをダメだと思う会社はどういうロジックでダメだと考えているのだろうか???単純に「仕事が最優先だから当たり前だ」みたいな話な気がしてなりません。

出張命令を前後2つに分けるとどうなるのか?

そもそも、出張期間中に重要なプライベートイベントが発生した時点で出張は前後2つに分割されたのではないかと考えることもできます。

そうなると、すべての交通費を会社が出すことすら自然に思えてきます。

実際にこれをやるとすると「重要なプライベートイベント」の基準が難しく、ルール化しようとすると冠婚葬祭的なイベントのみってなってしまいそうなのですが、今回のように社員Tにとってこのイベントは何物にも替え難いイベントなので冠婚葬祭的ではないけど重要なわけです。

会社にはルールが必要なのでルールは作るわけですが、どこまで柔軟なルールにできるか、その柔軟さを社員全員で理解して相互に認め合えるかが重要な気がします。

すべての人にプライベートと仕事がある

働く人全員にプライベートと仕事があるわけで、この2つはお互いに時間を奪い合いながらその人の人生を作り上げていきます。

小さいながらも一企業の経営者として、社員全員のこの奪い合いを悲しい結果とならないようにしたいと思います。

弊社の経営陣は常にこんなことを考えているということも知ってもらえるとうれしいです。

これを読んでくれているみなさんも、今回のようなケースが発生した場合に上司の方や会社はどっちのスタンスを取るか聞いてみてもらって結果を教えてもらえるとうれしいです。

投稿者プロフィール

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金春 利幸
"gusukuシリーズプロダクトマネージャー
ノーコード(No-Code)の有効性に着目し、kintoneとgusukuシリーズの普及のため全国を飛び回っています。"