公開日:2025-02-05
お久しぶりです!システム開発グループの井上(たーぼー)です。
普段、私は「キミノマホロ for kintone」で、お客様の業務改善をお手伝いしています。システム開発の現場では、色々な技術を駆使して業務の効率化を図るわけですが、「kintone」を使った業務改善プロジェクトで、気をつけているポイントを、少しだけご紹介したいと思います。
とは言え、他の企業さんやユーザーさんがたくさん事例を出しているので、少し違った目線でお話ししようかなと思います。具体的には、「コスト管理」「kintoneの広がり」「教育とスキル向上」の3つを中心に、プロジェクトマネージャーとして気にしていることをお伝えします。
1. コスト管理
kintoneはとにかく開発が早く進むのが魅力的です。でも、そのスピード感に安心しすぎると、思わぬコストオーバーに繋がることがあるんです。というのも、開発が進むにつれて「この機能もほしい」「こんな機能も追加したい」というお客様の要望がどんどん増えていきがちなんです。最初は見積もりをしっかり立てて進めていても、気づいたら予算をオーバーしていた、なんて話をよく聞きます。
kintoneは簡単にカスタマイズできるから、機能追加も簡単にできてしまうんですね。でも、だからこそ、すべての要望に応えようとすると、最終的にコストが膨らんでしまうんです。これを防ぐためには、必要な機能とそうでない機能をしっかりと見極めることが大事です。
「kintone SIGNPOST」の「2-14 基本機能から考える」や「2-20 小さなリリース単位」なんかを参考にすると、最初はシンプルな機能からスタートして、後から少しずつ機能を追加していくのがベストだとわかります。要するに、開発の途中でお客様と一緒に「これ、今本当に必要なのか?」と確認しながら進めることが、内製化するにしても、外部に委託するにしても予算内で収めるための重要なポイントです。
また、kintoneには「できること」と「できないこと」がありますし、カスタマイズしても「やるべきこと」と「やらない方がいいこと」があります。これをきちんと整理して、プロジェクトが進んでいる中でお客様との期待値をうまく調整することが大事です。いわゆる「期待値のコントロール」ですね。これをしっかりやると、途中でのトラブルや不満も防げるので、スムーズに進行できます。
2. kintoneの広がり
次は、kintoneの「広がり」についてです。kintoneを使っていると、どうしても最初の段階では「顧客管理」や「案件管理」など、特定の業務に絞ったシステムを作ることが多いです。でも、これってもったいないんです!kintoneは、業務改善のためのプラットフォームなんです。言い換えれば、もっと広い範囲で活用できるということなんですね。
お客様が最初に「顧客管理を改善したい」と言ってきても、プロジェクトを進める中で「実は営業支援の部分も改善したい」「在庫管理や経理管理もkintoneでやったら便利かも!」というニーズが出てくることがあります。この時、ただ顧客管理だけにとどまらず、他の部署や業務にもkintoneを広げる提案ができれば、プロジェクトが単発で終わることなく、継続的な開発が進みます。
例えば、私たちの会社でもkintoneを導入したお客様が、その後も別の業務にkintoneを活用しているケースがたくさんあります。最初は営業の顧客管理をしていたけれど、次は社内の進捗管理を導入し、その後は在庫管理や経理業務にも広がった、という具合です。こうしてkintoneをさまざまな業務に広げていくことで、結果としてお客様にもより大きな価値を提供できるようになります。
詳しい内容は、事例ページを御覧ください。
「kintoneを業務改善のプラットフォームとして活用する」という視点を持っていると、単に一回限りのシステム開発ではなく、長期的なビジネスパートナーとしての関係を築けるチャンスが広がります。
3. 教育とスキル向上
最後に、kintone開発における「教育とスキル向上」についてです。kintoneの開発は、スクラッチ開発と比べて圧倒的に短期間で終わることが多いです。その分、要件定義や開発、テストなどのサイクルが速く回ります。大規模なシステム開発では、1つの工程が長期間にわたることが多いですが、kintoneでは短期間で多くの工程を経験できるため、メンバーの成長にもつながります。
特に、kintoneはローコードプラットフォームなので、プログラミングの知識があまりなくても使いやすいのが特徴です。でも、これだけでは終わりません。たとえば、kintoneと他のシステムを連携させる場合や、外部APIを活用する場合には、それなりの技術力が求められます。これこそが、エンジニアとしてのスキルを向上させるチャンスです。AWS LambdaやNode.jsを使った連携を行う場面も多く、実際に開発していく中でどんどん技術力が向上していきます。
また、kintoneは小さな単位で機能を追加していくことができるので、短期間で目標設定をして、振り返りを行いながら進めることができます。こうしたスピード感は、チームのメンバーにとって非常に貴重な成長の機会になります。短いサイクルで開発を進めることで、自分の仕事の進め方を改善したり、新しい技術を習得したりすることができ、結果としてチーム全体のスキルアップにつながるんです。
まとめ
というわけで、今回は「コスト管理」「kintoneの広がり」「教育とスキル向上」の3つのポイントを中心に、kintoneを使ったプロジェクトマネジメントについてお話ししました。この3つをしっかり意識しながらプロジェクトを進めることで、コストを抑えつつもお客様にとって価値のあるシステムを作り上げることができます。そして、チームメンバーもどんどん成長し、より高度なシステムを作る力がついていくんです。
kintoneは、単に業務改善を目的としたシステム開発を行うだけではなく、チーム全体の成長やお客様との長期的なパートナーシップを築くためのツールでもあるんです。これからもkintoneを活用したプロジェクトをマネジメントし、成功へと導いていきたいと思います。
投稿者プロフィール
![いのうえ](https://www.r3it.com/wp-content/uploads/2025/01/cropped-B01D1D31-DE0C-4CF8-A1BC-767A67D4CE94-600x400.jpeg)
- さすらいの、kintoneエンジニア
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