帳票のチェックボックスについて一言物申したい!

公開日:2025-01-20

こんにちは。サポートチームの「自称帳票まにあ」ほりです。

みなさま、帳票を普段お使いでしょうか?
kintoneからも帳票を出したい、いやもう出力しまくってますよ、という方もいらっしゃるかと思います。

帳票について語りだすと長くなるので、
帳票のアレコレは今回置いといて、いきなり本題ドーン!!

kintoneのチェックボックスをそのまま帳票に出したい!!

よく聞かれるんですよね、「チェックボックスを出力できますか?」っていう質問…。

どういうことかというと、

kintoneのチェックボックス

こういうことです!

帳票のチェックボックス

ああ~なるほどね、となりましたか?
これね、本当に良く聞かれます。今も昔も。
みなさん、これを見てどう思いますか?
どうやって出力しようかな…って悩み始める感じでしょうか。

自称『帳票まにあ』のほりはですね、こう思います。

「もうチェックボックス止めちまえよ!!!!」

ちょっと過激な発言ですが…笑

どういうことかというと、

シンプルに。

こういうことです!

チェックボックスをそのまま見せるということが果たして必要なのか?
チェックが付いている選択肢がわかればそれでいいじゃないか、と。
そういう問題提起をしたかったわけです。
(出力方法について教えてくれるんじゃないんかいッ!って思った方、最後にフォローするので良かったら最後まで読んでいってね♥️)

そもそもなぜチェックボックスなのか

問題提起だけでは弱いので、少しチェックボックスについて振り返ってみましょう。

そもそも、なぜ帳票にチェックボックスがあるか、と言いますと、
昔々、手書きの伝票しかなかった時代、

  入力 = 出力 = 手書き = 帳票

というものがスタンダードでした。

入力も出力もすべてが手書き。そしてそれがそのまま帳票となる。
だからできるだけ省力化するために、たとえば伝票には決まった項目は印字済みのものを使うわけです。

何枚も何十枚も何百枚も…おなじ項目をイチから書くには負荷が高すぎます。
だけれども、記入は手書きなので、ある程度のところまでしか書式として用意できないわけですね。

なので、「□男 □女 □その他」という3つの□を用意しておいて、記入する人が、どれかに✓(チェックマーク)を付けるわけです。
記入する人はチェック付けるだけなのでカンタンですよね。

手書きの伝票の時代は、入力(記入)と出力(できあがった伝票)は同じものでした。
記入した現物がそのまま帳票となるわけです。
ですから、記入時の見た目=出力の見た目となります。

その用途だと、チェックボックスというのはとても都合が良かったんですね。
できあがった見た目もきれいだし、記入も楽です。
複数の候補から選ぶものだと、チェックボックスを使おう!となるわけです。
(類似で『項目に丸を付けるパターン』もありますが、まぁほぼ同じものと思ってください)

入力としてのチェックボックス

時代は進み、デジタル化の波がやってきます。
手書きで入力するものは減っていき、次第にデジタル(PCやスマホ)で入力するようになります。
そのときでも、やっぱり複数の選択肢から選ぶものはチェックボックスが使いやすいので、今でも残ってます。

kintoneにももちろんチェックボックスフィールドがあります。
(ちなみに、1つしか選べないようにするにはラジオボタンフィールドを使おうね。)
(でも見た目としてチェックボックスが好きな人もいるけどね。そういうときはカスタマインで1つしか選べないようにしてみてね。)

入力の時には、どの選択肢があって、その中からどれを選ぶのか?という問いかけが行われることになるので、チェックボックスは非常に都合がいいです。

チェックボックスの良いところは、選ぼうが選ばなかろうが、選んだ選択肢も選ばなかった選択肢もすべて見えるというところです。
たとえば性別で言うと、選択肢が「男、女、その他」とある中で、あえて「女」を選びました、ということが目に見えてわかります。
(kintoneのチェックボックスは追加画面や編集画面などの入力時しか、選んでない選択肢は見えないわけですが、そこは論点がずれるので置いておきます)
他にも、選択肢以外の値が入力されてしまうというミスもなくなるという効果もあります。

だから、入力時のチェックボックスは今でもそのまま残っています。メリットが大きいし、デメリットは特にないのでそりゃ使います。
問題は、出力時なのです。

出力時のチェックボックス

冒頭で、昔々は

  入力 = 出力 = 手書き = 帳票

となっていたことをお伝えしました。

入力と出力が同じもの(物理的にも)なので、入力がチェックボックスなら出力もチェックボックスになります。当たり前です。
入力のしやすさと、出力(できあがった伝票)の見やすさを兼ね備えているのがチェックボックスと言えます。

ですが、デジタル化の今、入力=出力、ではなくなりました。
入力は入力用画面から、出力は、参照用画面から参照したり、帳票を印刷したりするようになりました。

昔のように出力が入力に捕らわれなくてもよくなったということです。
自由に見やすい形、出力しやすい形、整理しやすい形に変えて出力してもよくなったのです。

だとすると、入力のしやすさと出来上がりの見やすさを兼ね備えた『チェックボックス』は、果たして最適解と言えるのでしょうか…?

デジタルだと出力しづらいチェックボックス君

システム的に言うと、チェックボックスは「ON」か「OFF」になります。
もしくは、チェックを付けた選択肢の値をデータとして持つパターンもあります。
そういうことなので、ほとんどの場合、「選ばなかった他の選択肢の値はわからん」となります。
選択してない選択肢を出力するのが難しいのです。

工夫をして、すべての選択肢を出力することもできるとは思いますが、基本的な思想から離れているので、どうしてもひと手間ふた手間必要になります。その手間は、開発費用に上乗せされたり、ツールに無理をさせることになります。

kintoneのチェックボックスも、基本的には「チェックが付けられた選択肢のデータ」を持つことになります。
そういうわけなので、ほとんどの帳票ツールでは

シンプルに値だけ

この形は出しやすいのですが、

他の選択肢も見える

この形は出すのがめんどくさい、もしくは出せない、となります。
四角と選択肢が先に印刷してある用紙に、チェックだけ位置を合わせて出力するとかもう……ほんとにやりますソレ?ってなります。

過去に倣って出力様式を合わせるのか、見直すのかはあなた次第

ここまで読んでいただいたあなたならば、

「もうチェックボックス止めちまえよ!!!!」

と私が叫んだ理由が分かったことでしょう。
無理にチェックボックスのまま出力しようとすると、いろいろとハードルがあるのです。

だったら、帳票としての機能が損なわれないのであれば、出しやすい形でどうにか折り合いを付けませんか?ということが言いたかったのです。

帳票リプレース案件あるあるなのですが、
「とにかく改修前の見た目と同じにしてほしい!」
という要件が前面に出がちです。

ホントに多いです。っていうか、だいたいこれを最初に言われます。

同じ帳票ツールやシステムを利用している場合は、前と同じ形で出力するのは苦ではないと思います。
ですが、システム改修で、まったく別の帳票ツールを利用するようになって、前の形式で出力することが難しくなる場合があります。
(改ページ機能とか、フッターの備考欄の位置とか、小計の単位とかそういう細かい機能が多いですね)

最初に帳票を作ったときには、特にそういった制約がないので、その時のツールで出しやすい形で作ります。
お客様に確認するときにも、こういう出し方ならできるので、これでいいですか?と提案します。
(前例がないので、この時点では概ね反対されることはないです)

ですが、帳票ツールが変わって、前のツールだと出しやすかった形が、今回のツールだと難しかったとします。

そこで、

開発者

「今回のツールだと、前と全く同じ形は難しいです。ですが、○○円追加、○○ヶ月開発期間を増やせば、同じ形にすることができます!

と言うのか

開発者

「今回のツールだと、前と全く同じ形は難しいです。こういう形ならば今回のツールでも簡単に出せますので、これに変えませんか?

と提案するのか…

さてさて、どちらが自分たちや提案先のお客様に良い形となるのでしょうか?

ここから先は、あなたが自問自答して考えてくださいね!

だけど要注意ポイントも。

あ、でもですね、
「選択肢が見えていること」が大事なパターンもありますので、そこは要相談ですよ。
帳票って、ずっと見てると画像のように脳が認識することがありまして、
3つの選択肢のこの場所にチェックが付いているから「女」である
みたいな現場の人独特の特殊技能が身に付いたりしていることもあります。

また、システム改修時にはは、「以前と全く同じ出力ができること」というテストを行ってシステムの品質を担保することもあります。
様式が変わるということは、それだけテストの要件や確認事項が増えるわけなので、その部分で負荷はかかってきます。

そんなこんなで一概に正解を言えないところが、帳票の難しくもあり楽しいところ、かつ、業務改善職の腕の見せ所なのです!
(ああ、語りだすとまた長くなる(笑))

ですが、この記事が、一度、帳票について考え直すきっかけになれば嬉しいです。

カスタマインのExcel/PDF出力でチェックボックスを表現するなら

カスタマインのExcel/PDF出力では、Excelファイルをテンプレートとして使用します。
そこでは、利用できるExcel関数がありますので、それを利用してチェックボックスを表現することが可能です。

Excel関数はいろいろ書き方があると思うのですが、ひとつ例を出しますね。

まず、本来チェックボックスを出力したい場所とは違うセルに、kintoneのチェックボックスの値を出力します。

そのセルを参照した、Excel関数を使います。今回は、「男」「女」の2種類の選択肢があるチェックボックスという想定で考えました。
「D1」は「$(性別)」を記載したセルのことです。

=IF(AND(ISNUMBER(SEARCH("男", D1)), ISNUMBER(SEARCH("女", D1))), "☑男  ☑女", IF(ISNUMBER(SEARCH("男", D1)), "☑男  □女", IF(ISNUMBER(SEARCH("女", D1)), "□男  ☑女", "□男  □女")))

Excel関数用に出力したセルは、文字色を白にして見えなくしたり、そもそも印刷の範囲外に設置したり、非表示のシートに出しておくと良いかなと思います。そこも色々工夫してみてくださいね。

Excel/PDF出力に関するサポート記事もたくさん用意しておりますので、ぜひぜひ、そちらもご覧くださいね!
「Excel」とか「PDF」で検索すると見つかりやすいと思います。

▼gusuku supportページ(上の検索窓にキーワード入れて検索してみよう!)

出力結果はこんな感じ。(って見てもよくわからんかもですが!)

右側が別のセルに出したチェックボックスの値です。

帳票の出力は調整命!
いろいろ出力して試してみて、いい形を見つけてみてくださいね〜
(*´ω`*)<カスタマインの帳票はアプリ数とかページ数とか無制限だよ(フリープランは制限アリ)

画面のカスタマイズ、自動処理(バッチ)、帳票出力といった「kintoneの”できない”を”できる”に」
gusuku Customineがあればkintoneらしさをそのままにkintoneをカスタマイズできます

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ほり
kintoneが好き過ぎる、自称帳票まにあ。
テクニカルサポートチーム所属。
「仕事をITでたのしく」をモットーに岡山県倉敷市から完全リモートワークしております!