公開日:2025-03-21
- 1. はじめに
- 2. バックアップ操作について
- 2.1. 手動バックアップ
- 2.2. 定期バックアップ
- 3. リストア操作について
- 4. リストア先環境の選択
- 5. リストア前にアプリを配布するかどうか
- 6. リストア前に既存レコードをクリアするのか、既存レコードを残すのか
- 7. リストアがエラーになる場合の対応方法
- 7.1. ユーザー選択のケース
- 7.2. ルックアップのケース
- 7.3. アプリ作成時にエラーになるケース
- 8. リストアはエラーにならないがフィールド値が変わる場合
- 8.1. ルックアップのケース
- 8.2. 計算フィールドのケース
- 9. デプロイットの容量をオーバーした場合
- 10. まとめ
はじめに
サポートチームの沖@64.5kg/22.7%です。
デプロイットではレコードのバックアップとリストアも可能です。デプロイットをまだお使いではないという方は、こちらのページもご確認ください。サインアップ方法はこちらでお願いします。
バックアップとリストアのドキュメントはこちらです。
ただ、非常に便利な反面、kintoneのAPIを利用しているため様々な注意点があります。一般的な制約についてはこちらのページをご確認ください。
バックアップ・リストアに関する制約
https://docs.gusuku.io/limitation/#backup
リストア出来なくて大変なのはプロセス管理のステータスです。この場合、ステータス値を別フィールドに保存しておいてから、プロセス管理のアクションを一時的に追加して、ステータスの一括変更のカスタマイズを作成・実行するという手順になります。
また、コメントはバックアップ対象外なので、リストアもできません。コメントを重視している運用の場合はコメントを別アプリのレコードにしておくなどの対応をご検討ください。
バックアップ操作について
バックアップには手動バックアップと定期バックアップがあり、アプリ単位で指定が可能です。デプロイットのアプリ詳細の右上にあるメニューの、一番左のアイコンを押すとバックアップ・リストア管理が表示されます。

手動バックアップ

左側にある「バックアップ実行」を押すと以下のようなダイアログが表示されます。

バックアップの実行時には同時にアプリの取り込みが可能です。kintoneの場合、フィールド構成を簡単に変えれますので、デプロイットに取り込んでいる状態が古いフィールド構成だとバックアップデータと不整合が発生してリストアできなくなることがあります。
フィールド構成が最新の状態で取り込み済みということが確実な場合以外は、チェックを付けてバックアップをすることをオススメします。
なお、コミットログヒストリーのメモには、このダイアログで入力した内容が記録されます。

定期バックアップ

今度は右側にある定期バックアップを設定してみます。未設定の時は「オフ」が青色になっています。
ここで「オン」を押すと定期バックアップの開始になります。その時のバックアップ予定時刻は以下のように右側に表示されます。

この予定時刻はシステム側で自動的に割り振られるものなので、自由に選択することができません。予定時刻を変更したい場合は再度「オン」を押す事で再割り当てになります。ただ、希望する時間に変更というよりは割り当て処理を再実行という意味合いですので、希望時刻にならないことは考えられます。
リストア操作について
バックアップされたものをリストアする際は、アプリの詳細画面から「バックアップ・リストア管理」を押して表示された「ジョブ一覧」から実行します。バックアップの左にあるのがリストアアイコンで、押すと以下のようなダイアログが表示されます。

このダイアログで様々なリストア方法を決めることになるので、操作にはご注意ください。
リストア先環境の選択
バックアップをリストアする場合、リストア先にはバックアップしたアプリと同じバンドル内にあるアプリが対象になります。既にデプロイットに登録済みのアプリのみが表示される点にご注意ください。
この選択により、バックアップしたアプリとは別アプリにリストアが可能になります。操作に慣れていない場合は、なるべく別のアプリにリストアするようにしてください。

なお、バンドルというのは、プロジェクトのマトリクスで横一列のことです。以下の画像のように⚪︎の矢印にはリストアできますが、×の方はできません。

アプリの配布先と同じですので、こちらのブログもご確認いただければと思います。
リストア前にアプリを配布するかどうか
ダイアログで「リストア前にkintoneアプリを配布」にチェックがあると、バックアップしているアプリの最新バージョンを配布してからリストアをします。最新バージョンというのはデプロイットに登録されている最新という意味ですので、実際のアプリではフィールド変更されているがデプロイットでは取り込んで無い、というケースには特に注意が必要です。
また、新規環境でアプリが未作成の場合は選択できないという事もありますので、この機能はなるべく使わないようにするのがリスク回避になると思います。(1操作で色々出来るので便利ではあるんですが。。。人間はそこまで賢くないのかもしれない。。)

リストア前に既存レコードをクリアするのか、既存レコードを残すのか
「既存レコードを消さずに追記でリストア」にチェックがあると既存レコードを削除しません。逆に言うとチェックしないままリストアすると既存レコードが全削除になります。意図せず操作をして全削除になることがあるので、このチェックには注意するようにしてください。kintoneの仕組みとして、削除したレコードを復元する方法はありません。
では何故、既存レコードの削除が必要なのかというと、重複禁止にしているフィールドがある場合のリストアに対応するためです。そのようなフィールドがあると追記の場合は値が重複するのでレコード追加時にエラーになります。
リストアは、既存レコードの更新ではなく必ずレコード追加ですので、その点にもご注意ください。

リストアがエラーになる場合の対応方法
リストア操作でエラーになるケースには色々な原因があります。以下では代表的なケースを紹介します。
ユーザー選択のケース
リストア先には、同一の組織、グループ、ユーザーが存在することが前提となります。 ユーザーが存在しないもしくは停止されている場合はエラーになるので、一時的にエラーになっているユーザーを追加や有効にしてからリストアをお試しください。
ルックアップのケース
リストアする際、「コピー元のフィールド」に指定したフィールドの設定で「値の重複を禁止する」にしていない場合はエラーになります。フィールドに重複禁止を設定してからリストア操作をしてください。
ただ、文字列の自動計算を「コピー元のフィールド」に指定している場合は対応方法がないため、アプリの構成から作り直しになります。これはアプリへファイル読み込みをしたときも同じ結果になるので、バックアップ・リストアが予定されているアプリの場合はルックアップの作成段階から注意するようにしてください。

アプリ作成時にエラーになるケース
「リストア前にkintoneアプリを配布」にチェックを入れている時に配布先がゲストスペースだと、アプリに組織選択があるとアプリの配布がエラーになります。他にもアプリが作成できない要因は色々とありますので、このチェックでアプリを配布してからリストアする場合はご注意ください。
エラーになる場合は配布可能な環境を選択するようにしてください。

リストアはエラーにならないがフィールド値が変わる場合
ルックアップのケース
ルックアップによって値がコピーされたフィールドについては、リストア時に再取得されます。例えば取引先住所が変わっているような場合、過去の請求書の住所が新住所に変わるという動きになります。
この場合、以前の値のままにすることはできません。ルックアップの設定を一時的に変更してコピーしないようにしてからリストアをお試しいただき、リストアが終わってからルックアップの設定を元に戻してください。
計算フィールドのケース
計算フィールドを後から追加したような場合、そのままでは計算フィールドに値は入っていません。その状態でリストアすると再計算されるのですが、空欄であることを何かのフラグに使用している場合は用途に合わなくなります。この場合は対応方法がないので、フラグのような利用を別のフィールドに変更するなどの対応をお願いします。
デプロイットの容量をオーバーした場合
まずは、手動バックアップの中で削除可能なものがあれば削除してください。また、定期バックアップでも変化が少なく不要という場合は7世代のうちのどれかを削除する方法もあります。
ただ、それで容量がオーバーする場合は、バックアップしているアプリの中で添付ファイルが多いものをバックアップから外すなどの対応をお試しください。
それらの対応でも容量をオーバーする場合や、削除できないアプリのバックアップがあるという場合は、デプロイットのプランを上げる方法があります。プラン名と利用できるアプリ数や容量についてはこちらのページをご確認ください。
https://deploit.gusuku.io/#plan
まとめ
通常は、リストア操作は滅多に操作しないと思います。そのため、実際に必要になった時に正しい手順で実行することが難しく、リストア操作で逆に破壊することも考えられます。
デプロイットの場合は、別環境のアプリに対してリストアできますので、気軽にリストア操作を試すことが可能です。ですので、定期的にリストア操作をして操作の流れに慣れておくことをオススメします。
なお、当然ではありますが、バックアップ対象アプリのレコード数が多くなったり、添付ファイルの数が多くなるとバックアップとリストアの両方で時間がかかります。操作の流れを試すときはレコード数の少ないアプリで実行するようにしてください。
投稿者プロフィール

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"サイボウズ公認kintoneエバンジェリスト
カスタマインやデプロイットでも色々とやってます"
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