公開日:2022-12-13
はじめに
2021年12月13日(月)、アールスリーとしてひとつ大きな節目を迎えた。
gusuku Customineのコミュニティ「わったーかすたまいんちゅ」がついに始動したのである。
ただのどりぃのコミュニティ与太話だが、気になる人は読んでみてほしい。
「わったーかすたまいんちゅ」とは
gusuku Customine(カスタマイン)を愛する有志によって立ち上げられた非営利の「コミュニティ」である。
ここでポイントとなる点がある。
それは「gusuku Customineを提供している、メーカーであるアールスリーが企画・運営に関わっていないこと」である。
あくまで主体は「カスタマインのことが好きな有志」(ここからは「かすたまいんちゅ」と呼ぶことにする)であって、アールスリーではない。これはわたしたちにとって非常に大きな意味を持つ。
どりぃの考えるコミュニティ論
コミュニティの定義は実にさまざまだ。
規模、運営主体、目的なども考え方は十人十色。一概にこうだという形はない。
ただわたし個人としての理想だけで言うと、会社を超え、業種や職種、立場といった枠を取り払い、みんなで楽しく過ごせる場が「コミュニティ」であってほしいといつも思う。
そこに利害や、上下関係、搾取というような概念も存在してほしくない。長く続いていると、そのような問題はどこからともなく湧いてくるものだが、それでもできるだけ、健全性の維持という意味で、そういう概念が入ってくる隙を与えたくはない。
これはあくまで持論にすぎない。ただのエゴだ。
いろいろな意見・主張があることは重々承知しているし、さまざまな考え方があって然るべきだと思う。それほど曖昧なものであると思うから。
そしてまた、自分たちで進めようとしていたコミュニティを手放したのも、ある種のエゴに他ならないかもしれない。
手放してでも「かすたまいんちゅ」に主催してもらうほうが、参加してくれるみんなにとっても、わたしたちにとっても、大きな意味があると思った。
そしてその予想は確信に変わった。
同じことをアールスリーがやったとしても、それなりに盛り上がりはするが、所詮メーカーのやることだ。参加してくれたみんなと、わたしたちは、ユーザーとメーカーの関係だ。そこには立場によるはっきりとした溝が生まれる。それでは「コミュニティ」ではないのだ。
そんなことがやりたいならコミュニティを名乗る必要はない。会社のマーケティング施策としてユーザーイベントを開催すればいいだけだ。
今に始まったことではないコミュニティ構想
マーケティングを専任でやる前、カスタマーサクセスやインサイドセールスをやっていた頃(も実はあった。周りの印象は薄いが)カスタマインのユーザー同士が繋がる場所作りをしたいという気持ちは常々持っていた。
過去、カスタマインが今ほど盛り上がる前、まだgusukuブランドでDeploitしかなかった頃に「gusuku de ゆんたく」というコミュニティまがいのイベントを運営していたこともある。
その時から感じていたが、やはり同じ悩みや目的を持つ人同士の集まりは強い繋がりを生み出す。
当時は今のカスタマインほどのプロダクト愛を持った人たちが多くなく、そのつながりを広げようと努力した(はずだ)が、道半ばで終わってしまった。
コミュニティに対する自身の気持ちの変化
「gusuku de ゆんたく」をやっていた頃は、とにかく自分が楽しいと思うことをやれればそれで良かった。会社もそれを認めてくれていたし、ネタがないなと思ったら、休めばいいだけだった。気づいたら無期延期をしていてそのままフェードアウトしていった。
しかし2021年、マーケターである自分に課した施策として『カスタマインのユーザーコミュニティの立ち上げ』が重くのしかかった。
やりたいと言い出したのは他でもない自分だったはずだ。
しかし、重い。考えることが多すぎる。
会社としてやろうと思うと、目標、ターゲット、コンテンツ、見せ方など、さまざまな要素を加味しなければいけない。もしかしたらそこまで考えなくて良いと言われるかもしれない。でも考えてしまう自分がいた。
今の自分には、昔のように屈託なく、思いのままに、コミュニティを運営するということがもはやできなくなっていた。
自社の主力サービスのコミュニティともなると、参加者に満足してもらえる、よりアップセルに繋がる魅力的なコンテンツを提供できるかという観点に偏ってしまう。こうなってしまうと完全に思考の限界だ。
そして次第に、そもそもこんなことを考えてる時点で「コミュニティ」ではないよなと思うようになっていくのである。
この頃から、カスタマインのユーザーコミュニティ、という呼称は使わなくなっていた。
同じくして浮上してきたカスタマインの勉強会の話
それでも『カスタマインのユーザーコミュニティの立ち上げ』はやりたかった。
そんな折、「かすたまいんちゅ」がカスタマインの勉強会を画策していることを知る。そして、具体的にどんなことをやりたいかを聞かせてもらう機会があった。
するとどうだろう。
現場で日々カスタマインと向き合っているからこそ出てくる豊富なアイデア。これはきっと、彼らが自分たちのカスタマインに対する思いをそのまま投影してくれるほうが、参加してくれるみんなの心にも大きく響くのではないかと感じた。
そこには嫌味もなければ下心もない。
あるのはただカスタマインが好きという気持ちだけ。
そんな彼らが主体となって「わったーかすたまいんちゅ」を動かしてくれることは、わたしたちにとっても大きな意味があることなのだ。
気持ちは伝播する。そして、何より、メーカーではない、参加者のみんなと同じようにカスタマインを使っている人たちが運営をするということは、心の障壁を低くする。共感も生まれる。
そこにメーカーが干渉する隙はない。むしろ、メーカーが干渉して、「コミュニティ」の雰囲気を壊すようなことがあってはならないと思う。
だからこそ、関わり方は本当に難しい。それがどう周りから見えるかを考えた時、わたしたちが主体だと誤解させてしまってはいけない。少なくとも、まだ立ち上がったばかりで、これから輪を広げていこうとしている初期の段階において、そのような印象を参加してくれるみんなに与えてしまうのは、過失以外の何者でもない。
だから、わたしたちは自分たちから率先して関わりにはいかない。
「かすたまいんちゅ」が必要と思う時にだけ呼ばれて出るのだ。
おわりに
ということで、最後まで読んでくれたみんなは、ぜひそんな「わったーかすたまいんちゅ」をちらっと覗きに行ってみてほしい。
きっと暖かい世界が待っているはずだから。