公開日:2025-02-26
こんにちは、システム開発グループの浅賀です。
kintoneはノーコードで簡単にアプリを作成できるため、多くの企業で業務改善ツールとして活用されています。しかし、その手軽さゆえに、明確な目的や業務フローの整理をせずにアプリ開発を進めてしまい、現場で活用されない、改善効果が実感できないといった問題に直面するケースも少なくありません。
● kintoneアプリ開発の落とし穴
kintoneを活用したアプリ開発には以下のような課題が生じることがあります。
- 業務改善・システム化の目的が曖昧
何のために業務改善・システム化するのか不明確なまま開発を進めてしまうと、必要の無い機能を作ってしまったり、現場メンバーの理解が得られずに現場で活用されないアプリが生まれる原因になります。
また、導入のゴールが不明確なため、導入効果が測りにくくなるという問題も発生します。 - 業務フローの整理不足
既存の業務プロセスが整理されていないと、業務改善・システム化すべきポイントがずれ、本来解決すべき課題が積み残されてしまい、改善の効果が出ないアプリが作られてしまいます。システム導入後に逆に業務が煩雑になることもあります。
過去に開催されたサイボウズ社主催のユーザーイベント「kintone hive」でも、このような事が理由でうまく導入が進まなかったという発表が見られました。
ASCII.jp:自己満アプリは使ってもらえない 現場といっしょに作って業務効率化 (1/2)
「kintone hive 2023 nagoya」事例発表の4番手は社会福祉法人ゆめネット 山川貢広氏と上原直人氏による講演。そのプレゼンの様子をレポートする。
▶活動方針・目的が明確で無かったため「なぜやり方を変えるのか?」「どこが便利なのか?」という声が上がった。
ASCII.jp:灰になったkintone 神戸製鋼所の「花咲かじいさん」から学べること (1/2)
「kintone hive 2023 osaka」6組の事例発表の6組目は神戸製鋼所 IT企画部 今井健太氏と、建設技術部 田淵裕子氏による講演。そのプレゼンの様子をレポートする。
▶現場部門にアプリ作成を任せたが元のアナログの方がやりやすく定着に失敗。現場部門と目的・課題を明確にした。
これらの課題を解決するためには、kintoneアプリを作る前の準備が重要となります。
● kintoneアプリ開発の前に必要な準備
業務改善・システム化を成功させるためには、以下のステップを踏むことをお薦めしています。
- 業務改善・システム化の目的を明確にする
システムを導入する目的が明確でないと、不要な機能を盛り込みすぎたり、最適なシステム構成にならなかったりする可能性があります。「入力ミスを30%削減する」「問い合わせ対応の時間を1件あたり15分削減する」など、システム化によって達成したい目標を明確にしましょう。 - 現状の業務プロセスを整理する
現状の業務プロセスを可視化し、どの部分をシステム化するのが最適かを整理します。kintoneでシステムを構築する前に、業務の流れを見直し、無駄を省くことが重要です。特に、手作業が多い部分やデータ管理に不備がある箇所を重点的に見直すことで、より効率的なシステムを設計できます。 - kintoneで実現する事・しない事を決める
kintoneで何を実現するのか(何を実現しないのか)を決めます。その際、システム化の目的から外れないように考える必要があります。「あったら便利」ぐらいの機能であれば、目的に照らし合わせて対応の優先度を下げる判断を行う必要もあります。
● 効率的な業務改善・システム化のための支援サービス「キミノマホロ for kintone」
アールスリーが提供する「キミノマホロ for kintone」は、kintoneアプリを開発する前の段階として、業務改善・システム化の目的を明確にしたり、業務整理を行うための支援を提供しています。
アールスリーが対応できる全ての作業をメニュー化していますので、必要な作業だけ依頼いただく事ができます。(逆に言うと依頼いただかない作業については、皆さんの方で対応いただく必要があるという事になります)
kintoneアプリを開発する前段階の作業は「【イ】業務改善の始まり」のカテゴリをご覧ください。
サービスメニュー
業務改善メニューをイロハからえらべます 「キミノマホロ」は業務改善に取り組むフェーズを【イ】【ロ】【ハ】でカテゴリ分けし、カテゴリごとにサービスをメニュー化しています。作業内容や成果物が明確になったメニューから必要なもの […]
また、「業務の課題を整理し、システム化の目的を明確にする」ことを目的としたワークショップを無料で実施しています。 このワークショップでは、現状の業務フローを見直し、どのようにkintoneを活用すれば最も効果的か検討する方法を体験いただく事ができます。
東京・大阪で開催しておりますので、是非ご参加ください。

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詳細はワークショップの各ページからご覧ください。
● まとめ
kintoneを活用したアプリ開発は手軽で便利ですが、業務改善・システム化の目的や業務フローを整理しないまま進めると、期待した効果が得られない可能性があります。アプリ開発前にしっかりと業務整理を行い、現場のニーズを把握することで、より効果的なシステムを構築することができます。
また、運用開始後も定期的な見直しや改善が必要です。kintoneは柔軟なカスタマイズが可能なため、業務の変化に応じて継続的なアップデートを行うことで、長期的な業務効率化が実現できます。
その際にも業務改善・システム化の目的から外れないように対応していく事が重要です。
業務改善・システム化の成功を確実にするためにも、kintoneアプリ開発の前段階でしっかりと準備を進めることが重要です。弊社の提供するワークショップやコンサルティングサービスを活用し、貴社の業務改善を成功に導いてください。
投稿者プロフィール

- kintoneを活用したシステム開発(だけ)をやってます。kintone認定資格5冠。