アイドルオタクのためのシステム開発 vol.2

公開日:2025-02-28

前回のおさらい

皆さんこんにちは。推しに貢ぐために働いています築山です。

前回、アイドルオタクのための kintone 開発 vol.1 では「アイドルオタクがいかに忙しいか」、「kintone によってアイドルオタクが救われる可能性」についてをお伝えしました。また、ロードマップを作成することにより、次の新曲リリースまでの間に「スケジュール管理の効率化」が優先課題であることまで整理ができました。

業務フローを整理してみる

アプリの開発に入りたいところですが、kintone SIGNPOST 「1-09 業務の流れを掴む」に従って、「スケジュール管理」システムの業務フローを整理してみたいと思います。

前回ご紹介した通り、オタクがスケジュール管理を必要とするシーンは主に「コンサートツアー」や「新曲リリース」があります。細かい部分で若干の違いはありますが、新曲リリースとコンサートツアーでは大枠の流れに違いはありません。

フロー図にするとざっくりこんなイメージでしょうか…

場合によっては「当落発表」より前に「有給申請」「ホテル・交通手段確保」をすることはありますが、だいたいはこんな感じになるかと思います。

・・・と、ここで宣伝です。
業務フローの整理ってなれないとなかなか難しいですよね、私もオタクの業務整理以外はなかなか上手にできません。業務の整理や課題の明確化が苦手だと思われる方は弊社で定期的に開催している「業務改善・DX成功のコツをつかむワークショップ」もご活用いただければと思います。

さて、業務フローを整理してみて気づいたのですが(ホントは整理する前から知ってましたが)、オタク・メンバー・事務所が登場するように見えて実際に業務を担当するのはオタクだけなんですよね。なので、業務フローを整理してもあまり意味はなかったと思ってます。

アプリ構成を考える

システム屋のフリをして業務フローの整理をしてみたのですが、落ち着いて考えてみると自分はただの kintone 好きのアイドルオタクでした。オタクはオタクらしく本能の赴くままに進めていこうと思います。

ということで、色々すっ飛ばしてアプリ構成を考えてみるとこんな感じになりました。意外にあっさり。

ハロー!プロジェクトのコンサートを考えた場合、1回のツアーにおいて複数の会場でコンサートを行います。ツアーの規模にもよりますが、1つのツアーでだいたい 10~20 程度の公演が組まれます。kintone ではテーブルに明細を入れることができるので、1つのコンサートツアーにつき1レコードを作成してテーブルにツアー日程を入れることにします。

また、イベント会場は今後も様々なツアーで利用することとなるため、マスタ化してしまいます。なんか作る前には難しいことを色々考えてしまいましたが、ツアーのスケジュールを組むだけであればこれで良さそうです。

省略してしまったデータ設計のポイントをしっかりと理解したい方は是非 YouTube 動画「kintoneでのデータベース設計の基礎」をご視聴ください。

アプリ作成:会場マスタ

では、もう細かいことを考えずにアプリを作ってみましょう。

まずは会場マスタアプリです。

文字列(1行)フィールドを3個おいてオシマイです。「会場コード」はキーになるフィールドなので「値の重複を禁止する」設定をしておきます。

アプリを作ったらついでにいくつかデータを登録しておきます。直近の春ツアーで使用するホールを追加しておきました。

アプリ作成:イベント

では、続いてメインとなるイベントアプリを作成していきます。後々、他のイベントで使用するときにフィールドを追加・変更する可能性は十分ありますが、まずはコンサートを想定して作ります。

・・・ということで出来上がったのが「イベント」アプリです。

先にも記載した通り、1つのツアーで複数の公演が行われるため同一のツアーは1レコードとして公演ごとにテーブルに入れるようにしました。

実際にデータを投入してみます。

今年の春ツアーは 24公演もあるんですね。メンバーの皆さん、ホントにお疲れ様です。

はやくも失敗発覚

私も24件の登録、大変でした。ただ、ここで気づいちゃったんですよね。公演スケジュールを登録したらあとはカレンダー形式にすればいいやって思ってたんですが。。。

カレンダー形式の一覧設定画面に行くと、、、

う~ん・・・kintone 基本機能のカレンダー表示ってテーブル内のフィールドを日付に指定できないんですよね。ここまで作ってきたのですが、いまのアプリ構成ではスケジュール管理ができそうにありません。

では、次に考えたのは「アプリアクション」を使った方法です。テーブルに入っている各公演のデータをアプリアクションで、別の「イベントスケジュール」アプリに転記しようかな、と思いました。

しれっと誕生した「イベントスケジュール」アプリ

ただ、これも・・・

「日程」テーブル内の「開演日時」フィールドの値を、テーブル外の「開演日時」フィールドに転記することができませんでした。

さて、、、こうなるといまのアプリ構成では解決できないだけではなく、基本機能だけで解決することもしんどそうです。kintone SIGNPOST「2-14 基本機能から考える」にもあるように基本機能ファーストでやってきたのですが、そろそろ終焉のときが近づいているようです。

中途半端ですが、今回は失敗したところまで続きは次回!

さ~て、来月のツキヤマさんは?

  • イベントスケジュールのアプリ構成どうする?
  • 公演数多いと登録するのめんどくさくね?
  • みんな大好き!あのプラグイン登場!?

の3本です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

投稿者プロフィール

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築山 春木
gusuku シリーズのエンドユーザー様への提案・パートナー様への支援をメインに活動しています