公開日:2019-06-20
2 月の名古屋開催からスタートし全国各地で開催されてきました kintone 公式ユーザーズイベント kintone hive 、遂に本年度の最終開催地東京にやってきました。
リアルタイムレポートも開催とともに数が増え、今回で 6 回目となります。これまでのリアルタイムレポートは弊社金春がお届けしてきましたが、今日は私が普段活動している東京での開催ということで、金春に替わりまして築山がお届けします。
過去のリアルタイムレポートは以下をご覧ください。
kintone hive 2019 松山リアルタイムレポート
_kintone hive 初開催!松山!弊社の沖のお膝元!_blog.r3it.com
kintone hive 2019 仙台リアルタイムレポート
_kintone hive 2019 仙台をできるだけリアルタイムでレポートします_blog.r3it.com
東京での開催はもう 9回目にもなり、去年の会場より更に規模を大きくして今年は豊洲 PIT での開催となります。
本日は 1,000 人以上のお客様が来られるとのことで、一番良い席でユーザーさんのお話を聞くべく気合を入れて開場時刻前に現地に入りました。
オープニングトーク
オープニングトークはサイボウズの清田さん、走りながらの登場です!開演前にお会いしたのですが、とても緊張されているのが伝わってきました。「スベったらいじってくださいね」と仰っていたので、リアルタイムレポートでもちゃんといじっていきたいと思います。清田さん頑張ってくださいね!!
- 皆さんの目がキラキラ
- kintone hive はユーザーさんの中で作られた空間
- ユーザーさんだけでこんな空間が作られたのは素晴らしい
- 皆さん情報をたくさん取り入れて、楽しんで下さい
- kintone hive はユーザー同士で活用のアイデアを交換する場
- どの方に投票するかも考えながら楽しんでほしい
kintone hive の楽しみ方
- 活用シーンを常にイメージ
- リアクションは大きく
- 積極的にアイデアを共有
- ハッシュタグ #kintonehive でつぶやいてください
- 撮影禁止のマークがあるスライドのみ撮影を控えて下さい
清田さんの自己紹介
- 元々は SE として 2008年に中途入社した
- 去年人生初の一人旅で南アフリカに行ってきたことが最近の思い出
- 趣味はハンモックで昼寝すること
- 思春期男子(お子さん)との会話の仕方を情報交換したい
株式会社SQUEEZE セールスマーケティング・ディレクター 吉田 幸平 氏
- 社長を安心して寝かせてあげたい~スタートアップ企業に潜む、オバケとの戦い~
- 創業 5 年のベンチャー企業
- airbnb で知られている「民泊」業界の会社
- 創業のキッカケはシンガポールにいながらにして、実家(旭川)の空いている部屋を Airbnb に出したいと思ったこと
- 事業は民泊を営む事業、そのためのシステムを作る事業の 2 つ
- 吉田さんは去年 SQUEEZE にジョインした
導入の背景
- 社長が寝ない(本人曰く「3時間は寝ている」)
- Slack のログを見ると深夜の 1時の書き込みが・・・
- 「ベンチャーだから当たり前」とは思いたくない
- 社長に寝て欲しくて kintone を入れて改革したかった
- 原因として考えたのが、大量の情報(オバケ)が潜んでいるということ
kintone を使った改善の内容
- 情報を「コミュニケーション」「業務フロー」「ナレッジ共有」の3つに定義
- コミュニケーションは Slack + Gmail、業務フローは Slack + Google スプレッドシート、ナレッジ共有は Slack + Google ドライブで運用していた
- 最初はGoogle スプレッドシートをkintone へいきなり置き換えようとして失敗したので、業務を可視化することにした
- 業務を可視化して、1つ1つのアプリを独立したアプリを作るのではなく、全体を通じて業務の流れを考えてアプリを作った
- 視覚的にわかりやすくするために、kintone だけではなくプラグイン(smartballoon)を入れた
- ポータルがチープに感じられたので、キンスキ.comを参考にしてポータルを綺麗にした
導入した後の苦労・工夫
- kintone は通知がわかりづらい
- ベンチャーなのに社員が使っているのはガラケー でアプリが使えない
- 日常の「動線」に kintone が入っていないため、活用されないことが悩み
- Slack は毎日見ているので、Slack と kintone を「共存」させてかった
- Slack のアプリを使い、kintone の通知を Slack に通知するようにした
まとめ
- おばけとはなんだったのか改めて考えてみた
- 情報が大量にあり埋もれている、情報にアクセスしづらい、業務フロー設計ができていない → 社長が眠れない、会社として正しくない状態だった
- これを解決したかった
第一法規株式会社 業務改善推進部 杉浦 沙織 氏
- 法律系の出版社(創業 115年)
- 書籍だけではなく、様々な方法で法情報を提供している
- 杉浦氏 は入社 4 年目、文系出身でアナログ人間だった、趣味は顔出しパネルでの写真撮影
- 所属する業務改善推進部は一般的な情報ステム部
- kintone はまだ利用社数が 100 社ぐらいの 2011 年に営業報告のために導入していた
今回の業務改善の背景
- 人事部から「事務作業が多くて学生と向き合う時間が作れない」という悩み相談があった
- 人事部では 2006 年に手書きのエントリーシートからデータでの管理になったが、「データ地獄」、「メール地獄」だった
- 既に社内で導入実績のある kintone で改善できると思った
データ地獄からの脱却
- 採用エントリーシートの一元管理を行うことで解決する
- Web フォームから入力されるエントリーシートを DataSpider を使ってそのまま kintone に流し込む
- これによって閲覧、先行管理、エントリー情報の抽出が全てできるようになった
- 従来の業務では管理の手間から最初に全部の情報を貰っていたが、アプリを作成したことでデータの管理が簡単になったため、選考が進んだ段階で必要な情報を提出してもらうように変更した
- 応募者の負担が減り、エントリーの敷居を下げた
メール地獄からの脱却
- 従来の業務は Excel をコピーしたり、メールアドレスをコピーしていたため、誤送信のリスクで神経を使っていた
- kintone からメールを一斉に配信できるアプリを作成した
- タイトル、本文を作成して送信先の Excel を添付。あとはボタンを押すだけで kintone と DataSpider が連携してメール送信
- 一斉送信、文面の確認、送信漏れ、エラーの把握が全てできるようになり、履歴の共有もできるようになった
まとめ
- kintone を導入することで人事部の悩みが解決できた
- 「人的ミスの減少」、「誰でも対応」、「効率化で時間短縮」をすべて達成
- 部で掲げている「みればわかる。さわればつかえる。」を実現できた
- 今後は 90 を超えるスペースの作成などによりアプリを整理して、ユーザーが使いやすくしたい
- 他部署社員が kintone アプリを作成できるよう、ノウハウ講座を企画予定
アソビュー株式会社 プロ雑用 小林 信也 氏
- ワクワクをすべてのひとに
- あそびのジャンル 400以上、約 20,000プランを取り扱っている
業務改善の背景
- 2016年5月に、前職で kintone を使っていた人が導入した
- 利用範囲が広がるとともに、アプリ制作権限がばらまかれて、いろんなアプリが乱立
- 1アプリに管理者10人以上が常態化し、誰がアプリを更新したかわからない
- カスタマイズされまくってだれもいじれないアプリが出現
- その結果、kintone の評価が下がって Excel になっていた
- 取締役から「プロ雑用」の小林氏が呼ばれ、「なんとかする」ことに
改善内容と効果
- 業務を明文化し、それを元にアプリを作成した
- 初期では標準機能だけで設計し(200アプリ)、実運用できそうなところから投入
- 効果としては「生産性が 1.5ヶ月で 2.9 倍(サポートチーム)」「引き継ぎ漏れがなくなる」などがあるが今日話したいのはそこではない
業務改善にあたって大切にしたこと
- たった 1 つ大切にしたのは「目的にこだわる」こと
- そのためには「アイコンと名前を本気で考える」、「観察する」、「シンプルに作る」の3つのポイントが重要
- アイコンと名前を本気で考えると、アプリの正体を利用者が一瞬でイメージできるようになる
- 観察するというのは、「人の動き」、「現場の状況」、「データ」を見る・聞く・想像する こと
- 観察を重ねた結果、一番多くバージョンアップしている「顧客対応」アプリは 10 回以上改良を重ね、その結果生産性が 2.9 倍に改善した
- そのアプリを使う人に「どう行動してほしいのか」「どんな結果が欲しいのか」を考えるとシンプルに作れる
- 項目数は重要ではなく「必要なものを必要な数だけ」作るのがシンプルであるということ
まとめ
以上の 3つのポイントを重視してアプリを作ると
- 操作が直感的でわかりやすい
- 意味のあるデータが貯まる
- アプリ名が日常会話になる( = 定着したということ)
という効果が生まれる。これらは「目的のためにちゃんと使って欲しい」からであり、「使ったのに使われない」が発生するのは目的がぶれているか目的からズレているから。
そうなると「ツールが悪い」ということになるから、是非 kintone を使う人は目的をぶらさないで、3つのポイントを守って欲しい
ケミカルグラウト株式会社 技術本部 技術開発部 小野 一樹 氏
- 55年間地盤を改良してきた会社が遂に業務も改良し始めた話
- ケミカルグラウトは 1963 年設立の会社で、東京駅の耐震補強工事や福島第一原発の工事を手がける
- 小野氏は香川県琴平町の出身、趣味は旅行や読書
現場担当者の現状
- 従来の業務は昼は「現場管理」、夜はメール対応、図面の修正などの「事務作業」で残業が常態化
- Excel マクロで効率化を試みてきたが属人化してしまっていたため、あまり改善されなかった
- 長時間労働、若手の離職を改善したかった
要因分析と改善案
- 昼間は現場に常駐しており事務所に戻らないと事務作業ができない、何年も前の Excelを使っている、本社と情報共有ができていない、などが要因だとわかった
- これは「昼間のスキマ時間を有効に使えていない」、「日常業務が改善できていない」ということに集約されている
- システム化し本社と共有することで改善したかった
業務改善第1弾 写真管理業務の改良
- 現場で撮影した写真 1 枚ごとにフォルダ分けし、Excel に貼り付けて黒板の情報を手入力していた
- 電子黒板にして、自動で整理、数クリックで書類化できるし、本社の作業ができる。作業時間 8 割削減
この結果を受けて業務改善はツールを入れたらできると思ってしまい、資料作成業務の改良に取り掛かった。
業務改善第2弾 資料作成業務の改良
- 非効率の原因はひな形ファイルが多すぎること
- これを kintone に入れたら良いと思った
- 現場担当者に提案したら「ひな形の統一は無理」「困っていない」の反応
ワークショップの実施
- Cybozu DAYS に参加したら「みんなの本音が聞ける」「要件は作りながらつめることができる」「花粉が」と言われた
- ワークショップを実施して、課題抽出、原因追求、理想像を管理職・実務者交えて考えた
- 過去のデータの整理、みつけられない、フォーマットが各人各様、過去案件のデータ活用ができていないことが課題だとわかった
- 現場実績 DB があれば、トラブルがあっても全員のノウハウで判断してすぐに現場再開できると思った
kintone で実現!
- 作ったアプリは現場検索、施工仕様、数量表、日報、トラブル、フィードバック
- 参考になった情報には「いいね!」をつける
- アジャイル開発によって、ユーザからすぐにフィードバック
- 徹底した操作性向上、満足感、口コミ展開によってアプリを広めた
導入効果
- 現場:昼間のスキマ時間に日々の記録ができるようになった
- 本社:手戻りがなくなった、他の業務もアプリにして欲しいという声が上がった
- 削減効果:1人あたり スキマ時間 45h、資料作成144hで、これは日数換算で 24 日に相当する
- 長時間労働は解消され、若手の離職率は0 になった
今後やりたいこと
- アプリの改良と、他のアプリを kintone に取り込む
- API でつないで検索しやすくしたい
- 工事部だけではなく、事務方も改善していきたい
最後にみなさんへ「一人で悩まず、仲間やパートナーを見つけられますように!」
三井化学株式会社 新ヘルスケア事業開発室 篠原 文子 氏
- 篠原氏は 頭を使うより体を使うのが大好きでゴルフ大好き、ハマるととことんやってしまうタイプ
- うどん県(香川県)出身で、今日の衣装はうどんを意識
- 三井化学の 5つの事業領域 のうち、篠原氏の業務はヘルスケア領域
背景
- ヘルスケア領域の花形商品はメガネレンズの材料で世界のシェア 45% を持っている
- 従来、B to B でビジネスしていたが、9 層構造の液晶レンズをつかったメガネを作ろう!ということになり、B to C に飛び込む英断が下された
- メガネの販売開始は半年後
- 開発は決まり、幸い販売店も決まったけど、「どうやって注文を取るか?」という話になった
- 従来の B to B 大量生産ビジネスとは違って、メガネは手作業で組み立てるカスタムメイド で作る B to C ビジネス
- 従来の基幹システムは ガチガチの ERP でこれをカスタムメイドに当てはめるのは無理だと思った
kintone との出会い
- 時間もお金もないのでスクラッチ開発するわけにはいかないし、適合するパッケージもない。
- そんな中で kintone と出会った
- まずは販売店からオーダーを取るだけことを目的にして機能はミニマムにした
- 「直感的」、「エラーを出さない」、「シンプル」、「すぐに対応できる」ことを重視して標準機能で作ることにこだわった
とにかく標準機能で対応
- 販売店間でデータが見えないようにしたい → 組織間アクセス権で標準でできた
- 注文後にデータが変更できないようにしたい → プロセス管理とアクセス権で対応
- ブランドイメージと合わせるために、ログイン画面も変えた
早い。安い。かしこい。で kintone ラブになったが、蜜月は長く続かなかった
kintone で足りなかったこと
- アクション機能は一部のフィールドが未対応
- ルックアップは単一キーしか対応していない
でも、小さく作って、見てもらって、すぐ替えて、ができるのが kintone のいいところ。
そしてリリース
- 当初のアプリは 15 個
- そして本番稼働
- 午前10時に販売店へリリースし、画面を見ていたら 10:01 に注文が「ポロン」と来たときの感動は忘れることができない
- 1年4ヶ月経って、15 アプリで始めたシステムは 50 アプリになった
- 標準機能ではできないところは、API や JavaScript を使っている。
- 当初は 9店舗との取引だったがいまは 60店舗以上になった
- Touch Focus は kintone とともに世界に羽ばたいて、世界のスタンダードにしたい
kintone hive サポーター
ユーザーの皆さんのお話のあとは、kintone hive tokyo のサポーターの皆さんから、5 分間のライトニングトークで kintone の活用シーンを広げる有益なプラグインや連携サービス等をご紹介いただきます。
グレープシティ株式会社 krewプロダクトマネージャー 加賀谷 耕平 氏
- 加賀谷氏は krew のプロダクトマネージャで趣味はスポーツ感染、お酒、犬
- グレープシティはプラグインとして krew シリーズを展開している
- 脱 Excel の krewSheet、Excel から kintone に移行する際の視認性のギャップを埋められる
- ノンプラグラミングでデータ連携の krewData 、「予実管理の裏方」になれる
- データ見える化の krewDashboard は予実管理の「ビジュアル担当」
- 今後、gusuku Customine などの他社サービスとの連携を強化していく
- 30 日間お試しできますので是非試してください!
サイボウズスタートアップス株式会社 取締役 田里トッティ友彦 氏
- 元々サイボウズの子会社だった cstap 社に田里氏は 2012 年にジョインした。最近は安否確認サービスの TVCM をやっています
- 7月より「トヨクモ」という社名に変わります
- 2,400以上の kintone 連携サービス導入実績があるので多分 №1
- トヨクモ社内ではほぼすべての業務を kintone で担っている
- 無料お試しの申込みは kintone に自動で入ってくる
- お試しユーザーへのアンケートもkintone で自動化
- 請求書のメール送付も kintone + kMailer で。2クリックで月末の請求書送付業務がおわる
- NPS(ネットプロモータースコア)もkintone、フォームブリッジ、kviewer、kmailer の組み合わせで実現している
- 今日の参加申込みや hive の投票フォームもトヨクモの製品を活用しています
- 「これは!」と思った方は是非トライアルしてください
JB アドバンスト・テクノロジー株式会社 デマンドジェネレーショングループ 福田 拓実 氏
- 新卒入社の福田氏、趣味はサッカー観戦とフットサル
- ATTAZoo+ は累計販売本数 300 本を突破した
- ユーザー様からは「残業ゼロを実現」「更新ボタンを押すだけで集計が終わった」の声をいただく
- ATTAZoo+ は「検索窓からの検索」「レコード一覧での集計」「自動採番」「ルックアップの自動更新」が可能
- 無料でお試しできるので是非体験してください
株式会社ソウルウェア 代表取締役 吉田 超夫 氏
- 吉田氏が最近気になっていること「のはなちゃん 3才」「ダイエット」「抜け毛」
- 帳票プラグイン RepotoneU を紹介
- RepotoneU の特徴は「操作が簡単」、「エコシステム」
- kintone のフィールドを選ぶだけで帳票が作れる
- kintone のエコシステムだけではなく、RepotoneU を中心としたエコシステムでもできつつある
- 和歌山に引っ越す社員、福岡に引っ越す社員、滋賀に引っ越す社員を引き止めた結果、リモートワークが始まった。これを救ってくれたのがコクヨさんの Repotovas 。Repotovas を使うと紙に出力しなくても、書類を送れる
- 零細企業にもワークスタイル変革ができるので、是非皆さんにもやってほしい
- お知らせ1:krewDataとRepotonU の連携はじまります
- お知らせ2:7/18 にセミナーをやります
以上で kintone hive 2019 Tokyo のリアルタイムレポートは終了となります。
投稿者プロフィール
- gusuku シリーズのエンドユーザー様への提案・パートナー様への支援をメインに活動しています
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