kintone開発のプロが選ぶ、本当に役立つkintone SIGNPOST 3選

公開日:2025-04-17

こんにちは、システム開発グループの浅賀です。

kintoneアプリはドラッグ&ドロップで手軽に作る事ができるため、アプリを作る事に集中しがちです。しかし、本当に価値のあるkintoneアプリを作るためには、設計や目的の明確化、運用の視点を持つことが不可欠です。

そんな時に役立つのが「kintone SIGNPOST」です。これはサイボウズ社が提供するkintoneアプリ開発や運用における道しるべとなる考え方の体系で、様々な観点から「良いアプリとは何か?」を示してくれます。

今回は、その中から特に実務に役立ち、私たちプロの現場でも特に意識している3つをピックアップしてご紹介します。

1️⃣ 1-06 業務のkintone化:ツールを作ることが目的になっていないか?

1-06 業務のkintone化 | kintone SIGNPOST(キントーン サインポスト)

今までのやり方を変えるのは不安かもしれないが、過去にとらわれずkintoneの特徴を最大限活かす。

アールスリーは「長く使ってもらえるシステムを作りたい」という想いで業務改善・システム開発に取り組んでおり、kintoneらしさ(作りやすい・変更しやすい)を活かして、継続的に業務改善ができる事を目指しています。

そのためには、kintoneで無理をしない事がとても重要で、アールスリーが提案段階から心がけている点です。

一見するとkintoneには見えない画面のカスタマイズ、複数アプリをまたいだ複雑な連携処理(これが常に悪いわけではありませんが、複雑すぎる処理は仕組みを変更しにくくなったり、データの不整合が発生して使えないシステムになる要因となります)など、無理なカスタマイズは保守性を下げ、継続的な業務改善を妨げる事になります。

特にシステムをkintoneにリプレースする場合は、現在使っているシステムをkintoneで何とか再現しようと考えがちになり、無理なカスタマイズが発生しやすいと言えます。そういう時こそkintoneらしさを活かせるシステムを目指す事を考えるべきです。

無理をしないという点では「2-14 基本機能から考える️」もとても重要で、アールスリーが開発する際もまず基本機能でできないか?という観点で検討します。

基本機能では実現できないという事が分かった場合、アールスリーでノーコードでkintoneをカスタマイズできるサービス「gusuku Customine(カスタマイン)」を使ってカスタマイズします。「カスタマイズはgusuku Customineの範囲で実施する」と制約を入れる事で、「kintoneで無理をしない」事を実現しています。

2️⃣ 1-05 業務の付加価値:kintone導入で何が得られるのか?

1-05 業務の付加価値 | kintone SIGNPOST(キントーン サインポスト)

キラリと光る「業務の真の目的」が見つかれば、業務改善の方向性も迷わない。

業務改善を進めるためには、対象業務が生み出す「付加価値」、つまり業務の真の目的を明確にして、そこを伸ばすことが業務改善の目的になると書かれています。

目的が曖昧だったり、真の目的からずれている状態で業務改善を進めると、必要の無い機能を作ってしまったり、現場メンバーの理解が得られずに現場で活用されないアプリが生まれる原因になります。導入のゴールが不明確なため、導入効果が測りにくくなるという問題も発生します。

手段が目的になっていないか、目的を実現する事で業務が便利になるのか(付加価値が向上するのか)を考える必要があります。

また、「1-09 業務の流れを掴む」にあるように、現状業務の流れを把握し、本当に困っている業務は何かを理解する事が大切です。

真の目的を明確にする事は簡単そうで難しいものです。アールスリーでは業務を整理して、業務改善の目的を整理するためのワークショップ(無料)を実施していますので、お悩みの際は是非ご参加ください!

3️⃣ 3-22 3つ以上のアイデア:複数案を出してこそベストが見える

kintone SINGPOSTのページでは開発方針やアプリ構成決定時の話しが書かれていますが、もっと細かい機能レベルでの検討時にも有用です。

最初に思いついた案に飛びついてしまうと、後になって「もっといい方法があったのに…」と後悔する事になります。

kintoneは万能ではありませんので顧客からの要望を完全には実現できない事があります。開発ベンダー側の立場としては、いくつかアイデアを提示する事で顧客が検討しやすい状況を作るようにしています。

顧客側としても複数の選択肢が提示される事で、「どの案が最善か」を考え、納得して選ぶことができます。結果として、運用に乗りやすく、改善もしやすいアプリが出来上がるのです。

過去に導入したGMコーポレーションさまの事例でも以下のような言葉をいただいています。

「この要望はどうすればアプリで再現できますか?」と曖昧な質問をした際などは、「標準機能での対応範囲」「標準機能では難しい場合の代替案」「要望に沿ったカスタマイズ案」など、ケースバイケースで具体的な選択肢を明確に伝えてくださり、専門知識がない私たちも判断しやすかったです。

有限会社 GMコーポレーション様 事例紹介

有限会社 GMコーポレーション販売促進部 矢田 しおり 様秘書 福本 絵梨 様 有限会社 GMコーポレーション様は、スキンケアブランド「ELECTRON」を中心とした美容商材の企画・販売を行う会社です。Salesforc […]

📌 まとめ

kintone SIGNPOSTは単なるチェックリストではありません。現場での試行錯誤を支えてくれる「思考の道具箱」です。

今回ご紹介した3つの指標:

  • 1-06 業務のkintone化
  • 1-05 業務の付加価値
  • 3-22 3つ以上のアイデア

これらはすべて、私たちが日々の開発で繰り返し直面する課題に対して、有効な視点を提供してくれます。kintoneを導入したけれどうまく活用できていない、開発の質を一段階上げたい、という方はぜひこれらを意識してみてください。

アールスリーが提供する業務改善・システム開発サービス「キミノマホロ for kintone」でもkintone SIGNPOSTを意識しています。すべての作業をメニュー化しているのが特徴で、メニューごとに対応するkintone SIGNPOSTを明記する事で、メニューをご用意している意図を分かりやすくしています。

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kintoneを活用した業務改善・システム開発サービス

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あさが
kintoneを活用したシステム開発(だけ)をやってます。kintone認定資格5冠。