公開日:2025-03-03

こんにちは! 最近、ネトフリ廃人への第一歩を踏み出したシステム開発グループのかっつんです!
ペーパー・ハウス・コリア、最高でした…。
さて、今回はkintoneのドロップダウンフィールドに焦点を当て、基本機能で使えるTIPSとgusuku Customineを活用した拡張方法をご紹介します。
前回、kintoneアプリデザインスペシャリストの取得に関する記事を執筆しましたが(前回の記事はこちら)、今回はより実務で役立つ具体的な方法をご紹介できればと思います。
🔽kintone基本機能のドロップダウンフィールド
まずはじめに、kintone基本機能のドロップダウンフィールドのメリットとデメリットを整理してみました。
メリット
データ入力時の選択肢をあらかじめ設定できるため、以下のメリットがあります。
- 入力ミス防止:
事前に用意した選択肢から選ぶため、入力ミスや表記ゆれを防げます。 - データの一貫性:
ユーザーごとに異なる表現を防ぎ、集計や分析がしやすくなります。 - 操作が簡単:
リストから選ぶだけなので、入力に慣れていない方でもスムーズに操作可能です。
デメリット
一方で、基本機能だけでは以下のような課題が生じます。
- 項目の追加が手動:
選択肢の変更はアプリ設定画面から行う必要があり、頻繁な更新には手間がかかります。 - 項目の非表示ができない:
使わなくなった項目を非表示にすることができません。
項目を削除することはできますが、バックアップデータからデータをリストアする(書き戻す)際に、エラーの原因となるため、削除することは好ましくありません。 - 親子関係の設定は非対応:
例えば選択した「都道府県」に対して、対応する「市区町村」を表示させるといった親子関係のドロップダウンは基本機能だけでは設定できません。
🔢Excelを使った項目生成でドロップダウンを効率的に作成
kintone基本機能でドロップダウンフィールドの項目を作成する際のTIPSとなります。Excelで管理しているデータからドロップダウンの項目を作成する場合、UNIQUE関数を活用すると重複を避けたリストを簡単に生成できます。
具体的な手順
Excelでデータを整理
例えば、商品カテゴリーや取引先リストなど、ドロップダウンに設定したい項目を1列にまとめます。
この時、項目が重複していてもOKです。
UNIQUE関数を使用
UNIQUE関数とは…
一覧または範囲内の一意の値の一覧を返す関数です。
下図のように、対象の列(例:B列)の重複を除いたリストを作成できます。
kintoneに設定
UNIQUE関数で作成したリストをExcel上でコピーし、kintoneのドロップダウンフィールドの設定画面に貼り付けます。
これにより、入力ミスを防ぎつつ、効率的にドロップダウンを設定できます。
🛠️gusuku Customineでドロップダウンの課題を解消
kintone基本機能だけでは解決できない課題については、gusuku Customineを活用することで柔軟に対応できます。
以下、具体的な機能を3つ紹介します。
1. フィールド値をレコードから選択するプルダウンを作成
参考リンク(公式ドキュメント)
特徴:
- レコードのデータを元にドロップダウンの選択肢を動的に生成できます。
- 不要な項目を非表示にでき、アプリ管理者の保守負担の軽減に繋がります。
活用例:
商品を管理する「商品管理アプリ」において、商品の分類を定義した「商品分類マスタ」からドロップダウンを生成し、分類コードを「商品管理アプリ」で選択できるようにする。
動作イメージ:
商品分類マスタの編集によって、プルダウンの表示・非表示や並び順が変更できます。
ちなみに、gusuku Customineの設定画面はこんな感じです。

2. 既存のマスタアプリを使ってプルダウンを作成
参考リンク(サポートページ:住所をプルダウンで入力する方法)
特徴:
- 公官庁などが提供するデータを活用できます。
- 都道府県や市区町村などの正確な情報をドロップダウンで入力可能になります。
活用例:
総務省の「都道府県コード及び市区町村コード」を活用し、住所入力時に正しい情報を簡単に選択できるようにする。
動作イメージ:
選択した都道府県に応じて、市区町村の選択肢が動的に変わります。
3. 親子関係のプルダウン設定
参考リンク(サポートページ:プルダウンの値によってほかのプルダウンの選択肢を変更する)
特徴:
- 親の選択肢に応じて、子の選択肢を動的に変更できます。
- 入力ミス防止と操作性向上に繋がります。
活用例:
「商品カテゴリー」→「商品種別」→「商品名」といった階層構造を持つデータを選択する際に、無関係な選択肢を非表示にして選択肢を見つけやすくする。
動作イメージ:
2で紹介した内容がまさに、親子関係のプルダウン設定となります。
まとめ
- Excelを使った項目生成:UNIQUE関数で項目を一括作成
- gusuku Customine:動的なプルダウン設定、マスタ連携、親子関係の構築
kintoneのドロップダウンフィールドは、基本機能だけでも十分に便利ですが、gusuku Customineを活用することで、より柔軟かつ効率的な運用が可能になります。
なお、ExcelのUNIQUE関数を使ったドロップダウンの項目作成は、基本機能でも活用できますよ!
入力精度の向上、運用負担の軽減、ユーザーの利便性向上に繋がると思いますので、これらの方法を活用して、kintoneのドロップダウンフィールドを最大限に生かしてみてくださいね!
投稿者プロフィール

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システム開発グループ所属。
滋賀県の琵琶湖近くに生息しています。
kintone CERTIFIED
┗ アソシエイト
┗ アプリデザインスペシャリスト
┗ カスタマイズスペシャリスト