公開日:2025-01-17
こんにちは、システム開発グループの大澤です。
アールスリーで提供しているシステム開発サービス「キミノマホロ for kintone」では、実際に開発を担当するメンバーが直接お客様のご相談や営業対応を行っています。豊富な開発経験を持ったメンバーがお客様からお伺いしたご要望に対して、その場で方針のご提案やkintoneに向く向かないといった判断をお伝えしており、これはアールスリーの強みだと考えています。
今回は今までのお問い合わせの経験を踏まえて、kintoneでのシステム導入についてアールスリーに開発のご相談をお考えの方向けに、ご相談前にどういったことを考えておくのが良いかについて書いてみたいと思います。
事前整理の重要性
ご相談内容はさまざま
私もお客様からの問い合わせを受けてヒアリングをさせていただくことがありますが、ご相談の内容というのはお客様によって本当にバラバラです。
明確な目的を持ち、「kintoneが使える」と具体的に考えてシステム開発会社を探している方もいます。「3月末までにシステムを導入しなければならない」とお急ぎの方もいます。
反対に、「次のシステム開発にはkintoneがいいかもしれない」と情報収集をされている方もいます。また、今のシステムの保守期限が近づき、更新料が高いため、より安い選択肢を探していたところでkintoneのCMを見て興味を持った方もいます。
事前に整理いただくことで多くの情報をお伝えできる
そういったご相談の際に、お客様から提供いただく情報が少ないとアールスリーからはkintoneやgusuku Customine / gusuku Deploit の基本的なご紹介にとどまってしまうことがあります。
ご説明でkintoneやCustomineへの興味が深まっていただけたのであれば良いのですが、せっかくお忙しい中お時間を作ってご相談に来ていただいているので、少しでも良い情報をお伝えできたらと思っています。
お問い合わせの前に少し考えを整理していただくことで、私たちも状況に合った情報をお伝えしやすくなりますし、kintoneがお客様の課題解決に有用かどうかも判断しやすくなります。
考えておきたいこと
ご相談ではお客様のやりたいこと以外にいろいろとお話をお伺いしていますが、全部を挙げると多すぎるので今回はその中から事前に考えてみていただきたいことを3つご紹介します。
1.kintone導入の目的を考える
なぜkintoneでシステムを作ろうとお考えでしょうか?
- 情報共有のため
- 業務効率化のため
- 今後変わっていく業務に対応できるようにしたいため
- ライセンス費用を抑えたいため
お客様によってはいくつかの理由をお持ちかもしれませんが、その中で一番大事な理由は何でしょうか?
kintoneは制限の多いサービス
ご相談に来るお客様の中には「kintoneならなんでもできる」と思っている方もおられますが、kintoneというのは何でもできるサービスではありません。いろいろな制限を踏まえつつ、運用での対応も含めてkintoneの機能の範囲に収める形でシステムを作っていくことで、開発費用を抑えつつやりたいことを実現することができるものだと思います。
要件整理・仕様検討を進めると、多くの方が「別の用途にも使えるようにしたい」「便利機能を追加したい」と新たな要望を出されます。しかし、機能やカスタマイズを増やしすぎると、kintoneの強みである柔軟な変更のしやすさが失われてしまいます。
こういった矛盾する要望が出てきたときに拠り所となるのがkintone導入の目的です。もしkintone導入の一番の目的が「業務効率化」なら、開発時に出てきた要望についてもできるだけ答えるのが良さそうですし、一番の目的が「今後変わっていく業務に対応できるようにしたい」なら、本当に必要な要望にだけ絞るのが良さそうです。
kintoneを導入することでどういう課題を解決したいのか。そしてその中で何が一番大事かについて考えてみてください。
2.費用感を考える
今回のシステム導入にどの程度の費用をかけることができるでしょうか?
システム開発の費用には「初期費用」と「ランニングコスト」がありますが、特に運用後に発生するランニングコストに注意する必要があります。作ったシステムは勝手にうまく動いてくれるわけではありません。問題が発生していないか日々チェックし、問題があれば対応する必要があります。システム開発会社に保守を依頼する場合は保守費用がかかりますし、kintoneのようなSaaSの場合はサービスの利用料金もかかってきます。
初期費用とランニングコストの両方にそれぞれどの程度かけられるかは事前に考えておくべきです。
ランニングコストのイメージ
アールスリーの場合はほとんどのケースでgusuku Customine / Deploitを利用しますので
といったものが必要で、保守サービスも含めるとkintoneライセンス以外に月15万円程度のランニングコストがかかることになります。
この金額が高すぎるとお考えになる場合は
- 開発はアールスリーに依頼するが保守は自分たちで行う(自走化に向けた引き継ぎ)
- アールスリーの支援を受けながら自分たちでアプリを構築する(業務改善アシスト)
といったような進め方についても考える必要があります。
3.導入スケジュールを考える
今回のシステム導入はいつまでに行う必要がありますか?
お客様からの問い合わせで時々あるのが、「今月末までに作りたい」とか「遅くとも来月末までには」というお話です。
もちろんお客様がお急ぎでできるだけ早くというのはわかるのですが、弊社の開発リソースはほとんどの場合直近は空きがありません。そのため「その納期は難しいです。着手できるのは◯月からですが、それでもよろしければお話をお伺いします」というお話をさせていただくことが多くなってしまいます。
kintoneシステム開発期間の目安
kintoneのシステム開発では、小規模案件で1~3ヶ月、大規模案件で1年~1年半かかる場合があります。そのため比較的小さな案件でも、遅くとも納期の4-5ヶ月前くらいにはご相談いただかないとご希望に沿えない可能性が出てきます。
システム導入がいつまでに必要かについて検討し、早めに動き始めていただければと思います。
まとめ
いかがでしょうか?
kintoneでのシステム開発のご相談にあたっては、このような点について整理しておくと弊社からも有用な情報提供やアドバイスができると考えています。
ぜひご参考にしてください!
キミノマホロ for kintone
アールスリーでは業務改善・システム開発を行うサービスを「キミノマホロ for kintone」として提供しています。
「キミノマホロ for kintone」は業務改善のプロセスをイロハで3つのフェーズに分け、フェーズごとに作業をメニュー化しています。
【イ】業務改善の始まり:業務改善の方向性を決める
【ロ】業務改善に必要なkintoneアプリ作成:業務改善を実現するための仕組み(kintoneアプリ)を作る
【ハ】業務改善の実行サポート:業務改善を進める
今回書かせていただいた「kintone導入の目的を考える」はメニューのうち【イ】業務改善の始まりに関連する部分になります。
このフェーズのやり方を体験していただけるワークショップ(無料)も開催していますので、ご興味ある方はぜひご参加ください。
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詳細はワークショップの各ページからご覧ください。
投稿者プロフィール
- システム開発グループ マネージャー
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