株式会社ライフコア様、株式会社ライフコミュニケーション様

公開日:2018-04-17

使うだけで、営業成績と業務効率が上がり、改正保険業法の意向把握義務にも適応できます

株式会社ライフコア 代表取締役 泊 裕隆 様

株式会社ライフコミュニケーション 代表取締役 辻 俊昭 様

「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」開発の動機と効果を紹介

「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」は、小規模保険代理店向けの「顧客管理ツール」です。サイボウズ「kintone」はデータベース型のビジネスアプリを作成するクラウドサービスで、インターネットブラウザ・スマートフォンアプリ・タブレットで利用できます。このkintoneを活用した「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」を考案したのは保険販売において上位0.1%に入っていると言われているトップセールスマン、株式会社ライフコア 代表取締役の泊 裕隆氏です。

本インタビューでは、ライフコアの泊氏と、同サービスを導入した株式会社ライフコミュニケーションの代表取締役 辻 俊昭氏に、「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」を開発した背景と、その利用効果について詳しくうかがいました。激動の時代を迎えた保険業界において、これからの10年、保険代理店をどのように運営するべきか。困難な実務にどう対処したら良いか。トップセールスお2人のアイデアをお楽しみください。

泊氏の場合、上位0.1%の営業成績

Q:株式会社ライフコアについて教えてください

 (泊氏)2001年個人代理店としてスタートした兵庫県あわじ市の保険代理店です。兵庫で初めて「保険ショップ」を開設しました。社員は6名で、私は法人と富裕層顧客を担当しています。うち事務スタッフは2名です。現在、約3,500人のお客様から6,000件のご契約をいただいています。

「改正保険業法」に対応した顧客管理サービスは皆無

Q:「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」を開発したきっかけを教えてください

 (泊氏)開業した2001年ごろから「顧客管理がもたらす営業インパクト」を認識しており、クラウドツールを中心に様々な顧客管理手法を試しました。しかしどれも上手くいきませんでした。

失敗した顧客管理手法

  • 「ヤフーボックス」/ファイルの世代管理が困難すぎた
  • 「Access」/店舗間をVPN接続するもデータの同期が困難すぎた
  • 「WiseOffice」/「営業に極めて重要な機能」が足りず放棄
  • 「ユニシンクのソフト」/Windows10のサポートが終了して放棄

(泊氏)顧客管理は売り上げに直結するので私の「悲願」でしたが、納得できるツールが見つからず諦めざるを得ませんでした。致し方なく始まった「紙での顧客管理」はとても属人的でした。まず必要な資料を探し出すのが大変で時間がかかりました。「資料の管理を担当している社員」以外は、必要な資料がどこにあるのか分かりませんでしたし、当人は労働時間の30〜50%を紙の管理に費やしていました。こうした状況はどの小規模保険代理店も同じなのではないでしょうか。

「kintone」との出会い

(泊氏)顧客管理をクラウド型のツールで行うことを諦めてしばらく経った2016年のことです。改正保険業法が施行され「お客様の意向」とそれに対する「応対・提案の記録」を全て残さなければならなくなりました。「紙の資料でお客様の応対履歴」を残していたら事務作業に膨大な時間がかかるため「利益が激減」してしまいます。困り果ててインターネットで「改正保険業法に対応した顧客管理手法はないものか?」と調べていて見つけたのがサイボウズのクラウドサービス「kintone」です。これは使えるかもしれないと直感しました。

「kintone」に目をつけた理由

  • データがクラウドに1つだけ存在する
  • ウェブブラウザ1つで動く
  • スマホやタブレットで外出先からも使える
  • 複数人が同時に使えて変更履歴も残る
  • 顧客ファイルの世代管理が不要
  • 同期などの面倒な作業が不要
  • 必要な機能を後から簡単に追加できる

「kintone」デベロッパーアールスリーとの対面開発

(泊氏)「kintone」は専門知識がなくても簡単に業務アプリを作れるサービスで、難しい機能を盛り込む場合はデベロッパーに依頼できます。そこで私は「kintone」オフィシャルデベロッパーのアールスリーに「改正保険業法に対応できて、顧客情報を管理できるサービス」の開発を依頼しました。

アールスリーを選んだ理由は、要望をヒヤリングしながらその場でツールの見た目を形にしていく「対面開発」が気に入ったからです。対面開発なら私の要望を完璧に形にできると直感しました。実際、同社との開発は、約2時間の対面開発セッションが3回、期間は1ヶ月半というスピード感のあるものでした。

「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」の機能

Q:完成した「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」の機能について教えてください

(泊氏)主な機能は5つです。

(1) 顧客情報の登録

1つめは顧客情報を登録する機能です。顧客区分・専任者・訪問なのか電話問合せなのかという「顧客との接点」などをプルダウンで登録できます。私は経営において「コストと時間をかけずに稼ぐこと」を大切にしています。そのための入力項目の要件定義はこだわりました。具体的には、顧客情報を登録する時に、必要最低限の顧客情報(損保か生保かという保険の商品区分)はプルダウン式で入力しますが、特約などの細かな契約情報は「生命保険会社のシステム」を見に行けば良いので入力しません。その代わり「生命保険会社のシステム」や「共同ゲートウェイ(生保システムを横断できるNTTのサービス)」に登録している契約情報をPDFでダウンロードし、このPDFを添付できるようにしました。最小限の動作で最大のパフォーマンスを上げることができるシステムになったと思います。

(2) 対応履歴・提案履歴・提案ステータスの登録と閲覧

外回り営業や、店舗での保険相談の応対履歴を残す機能です。店舗では、顧客応対中に過去履歴を閲覧したり、その場で聞いた情報を入力したりできます。保険の設計書も添付できます。記入履歴が顧客ごとに残るので、誰がいつ何を書き込んだかも明確です。またお客様に見せていただいた資料をスマホで撮影して添付することもできます。 この機能を使うだけで、お客様の「提案ステータス」や「提案の詳細」が社員全員に共有されます。過去履歴を見ながら接客するので、誰でもどのお客様に対しても的確な対応ができるようになりました。また応対レベルが格段に上がりました。さらに社長や管理職は営業状況を簡単に把握でき、次の指示を出すことができます。この機能を使うだけで改正保険業法の「意向把握義務」も果たしている状態になります。

(3) 営業タスク管理機能

「お客様の未来の予定」を入力し営業タスクにできる機能です。「来年お子さんが誕生する」「3ヶ月後にがん保険を解約する」「お母様が今月誕生日」といった「営業チャンス」をタスク化でき、良いタイミングにリマインドもしてくれます。トップセールスなら誰でもしている営業手法をこのサービスで再現できます。 特に法人契約などにおいては数年後、もしかしたら10年経過後の契約メンテナンスが必要な場合があります。そういう長期間後の予定の管理にも対応しているのは凄いことです。

(1)〜(3)の機能は自由に行き来でき、検索も可能

(1)〜(3)の機能は、顧客情報の画面から「関連レコード」として自由自在に横断できます。お客様Aさんのデータから「応対履歴」や「契約情報」にすぐに飛べるので、顧客応対がスムーズにできます。

(4) データのリストアップが可能

登録されている顧客情報は「30代男性」などの属性でリスト化できるので、一括営業にも有効です。

(5) スマホやタブレットから利用できる

スマホやタブレットでも利用できます。私は出張が多いので、よく外出先からタブレットで店舗の様子を確認しています。

辻氏の場合。地域密着型の保険代理店

Q:辻様に質問です。まずは株式会社ライフコミュニケーションについて教えてください

 滋賀県甲賀市で保険SHOP「みんなの保険ランド」を1店舗・東京と奈良に営業拠点を持つ保険代理店です。社員は8名です。強みは「保険のプロに出会えるショップ」であることです。

Q:御社の「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」導入のきっかけを教えてください

  (辻氏)顧客管理システムはもともと重要と考えていたので、顧客情報と契約内容は「数百万円かけて開発したAccess」で管理していました。しかし問題がありました。

Access管理の問題点

  • Accessは「店舗間」や「複数の端末」との「データの共有」にはVPN(専用回線)が必要で導入がそもそも大変
  • 複数マシンのデータをマージ(統合)する作業が定期的に必要
  • 日々の業務に追われ、全端末の顧客データを同期する時間を月に1回ほどしかとれず、思うようにデータを活用できない
  • 「入力エリアの幅の変更」といった僅かな変更でもシステム会社に修正依頼をするので3〜5万円の改修費が毎回必要

また「お客様への提案書は紙ベースで管理」していました。今回の改正保険業法で保存義務のある「お客様のご意向や応対履歴」についてはExcelで管理する以外方法がないような状態でした。このような状況なので、保険ショップで「お客様に誰がどんな提案をしたのか?」外回り中の私には全く分かりません。そのため「店舗での出来事を把握する」などの管理業務に1日1.5〜3時間も費やしており、私は店をあけて外出することに恐怖を感じるほどでした。

これらの事情から「顧客情報を全社で共有できて、改正保険業法にも対応できる良い手法はないか?」と考えていた矢先に、泊社長から「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」の話しを聞きすぐに導入しました。

Q:泊氏と同様の「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」を導入したのでしょうか?

 (辻氏)滋賀県甲賀市での保険営業は地域密着的です。そのため泊社長のシステムとベースは同じですが、入力項目をカスタマイズしました。大きな違いは、入力項目が泊社長のサービスよりも多いことです。具体的には、もともと自社オリジナルの「顧客区分」があったのでこれを登録できるようにしました。契約内容を「特約」にいたるまで詳細に入れられるようにしました。また、顧客同士の親戚関係を入力し、親類であるお二人の提案内容が矛盾しないよう確認できるようにしました。

導入効果、泊さまの場合

Q:「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」の導入効果を教えてください

コストをかけずに売上があがる仕組みができた

会社に時間とお金のゆとりが生まれました。例えば損保事務(契約保全・満期対応など)は手間のかかる仕事ですが、妻と週3日勤務のパートの方の2人で回しています。この人数で手数料900万円/年の仕事を回すことができます。当社は売り上げの大半が生保によるものですが、損保の売上も毎年伸びています。

頭で管理していた仕事を可視化できた

「保険が満期をむかえるので次のプランを提案する」など、完全に個人に依存していた仕事がシステム上で可視化され会社として取り組めるようになりました。

残業とストレスがゼロになった

紙の資料の管理などに使っていた時間が不要になり、残業がゼロになりました。例えば社員のTさんは30%もの時間を紙の資料の管理に使っていましたが今はゼロです。また、社長の労働時間は1日に4時間で十分です。残りの時間は新規事業の開発などに使っています。社長も社員もストレスがありません。

社員が幸せになった

社員のTさんは49歳の主婦で年収400万円です。彼女は今では「お客様と楽しくおしゃべりしているだけでお給料がもらえるなんてラク!」と話してくれます。

社長が居なくても会社が回るようになった

社長が社内にいなくても、出張で長期間不在でも会社は問題なくまわります。例え社長が本当にいなくなっても会社が回ると実感できるほどです。

自分でシステムを微調整できるようになった

「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」は「kintone」がベースのシステムなので、ちょっとした項目や機能の追加がExcelを触る感覚でできます。改善アイデアを思いついた時に実現できることは革命的です。

導入効果、辻さまの場合

Q:「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」の導入効果を教えてください

店舗状況が可視化された

このツールでは顧客情報・応対履歴・提案ステータス・契約内容・意向・設計書など全てを記録できます。店舗でスタッフがお客様にどう対応したのか、何を提案したのか、提案状況はどうなのかなど、お店で起こっていることの全てがシステムを見れば分かるようになりました。

誰でも提案ができるようになった

同サービスを使うだけでお客様が2回目に店舗に来られた場合に初回に応対したスタッフが不在でも、別のスタッフが「お客様の意向を踏まえた提案」をできるようになりました。

社長が店を空けられるようになった

社長が「営業状況の把握や指示」に使っていた3時間/日が1/3以下になりました。これまでは店舗を空けるのは不安でたまりませんでしたが、今では意気揚々と出かけられます。

日々業務改善ができるようになった

同サービスの効果で浮いた時間はシステムの改善などに当てています。これまではスタッフが改善要望を出しても対応できないので目をつぶってきましたが、今では思いついた時にExcel感覚で修正できるのでとても助かっています。また想いをすぐに形にできることが嬉しいです。

生産性が上がった

Access・紙の資料・Dropboxなどに分散していた資料が一箇所にまとまったので業務がスピードアップしました。

スタッフが成長した

スタッフがいつの間にか「他人が履歴を見る時にわかりやすい」ように入力しようと努力するようになりました。自主性も高まりました。「これまで誰もこの指標を把握していなかったとは怖いですね。」と発言するなど、重要なことを意識するようになり、レベルがどんどん上がっていることを実感しています。

ANP(新契約年換算保険料)が130%に伸びた

資料管理などの無駄な時間が減り、仕事のスピードが上がりました。その結果、余裕が生まれて店舗での顧客応対時間が増えました。きっちりとお客様の話を聞くことができ、的確な提案ができるため売上が伸びました。

改正保険業法に対応できた

できていなかった「応対履歴」も残せるようになったので改正保険業法にも対応できました。 またExcelベースで管理していた意向把握シート、お客様の声受付簿、持ち出し管理台帳、そしてPDCAのチェックリストまで全てkintoneで対応できています。

トップセールスのお二人からのメッセージ

Q:最後に、顧客管理サービスを検討している保険代理店オーナーさまにメッセージをお願いします

(泊氏)「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」は事務員を3人雇って行うような量の仕事を効率化できます。1人で営業している代理店であれば事務員がほぼ不要になるほど生産性が上がります。コスト面だけでも導入の価値があります。

今後は金融庁の指導で「保険代理店業界の縮小」が進みます。さらに「手数料の開示」が始まると、顧客が、どの保険の手数料が得かを把握できるようになるので、これまでよりも契約をとりにくくなるでしょう。そんな時に私たちを助けるのは「顧客の応対履歴」です。お客様が手数料を払ってでもこの人に、この会社に頼みたいと思っていただけるような応対や提案ができることで、会社が成長するか縮小するか決まります。本サービスはこれを可能にします。

(辻氏)私は、Accessや紙の資料での顧客管理といった「属人的な方法で業務を続けていたらいずれ会社は潰れてしまう」という危機感を持っていました。これが一変、本サービスのおかげで顧客対応がスムーズになりました。改正保険業法に対応できたことも大きなメリットでした。この2つをウェブサービス(インターネットブラウザ)で同時にできることは革命的です。

また、本サービスを使い始める時に「AccessやNTTの共同ゲートウェイにある顧客データをうまく移行できるのか?」という不安がありましたが、CSVかExcelファイルで顧客リストをダウンロードして、本サービスにアップロードするだけなので簡単でした。移行作業はアールスリー技術者のサポートもあるので安心です。

Q:「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」はお二人の協力のもと、一般に販売されます。本サービスについて一言お願いします

「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」サービス料

  • 月額6万円(10ユーザーまで・追加1ユーザー5000円)
  • 開設手数料
  • Aプラン:自社アレンジ無し 40万円
  • Bプラン:自社アレンジあり 60万円

「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」は、サイボウズのクラウドサービス「kintone」をベースにシステム構築をしています。そのため完全オリジナルサービスに比べてはるかに低価格で利用いただけます。

(辻氏)業務を省力化でき、営業効率が上がり、改正保険業法への対応までできるわけですから、これは確実に必要なシステム投資だと考えています。

(泊氏)本当に安いと思います。

貴重なお話しをありがとうございました。

取材2018年3月

おわりに

「保険代理店向け顧客管理クラウドサービス on kintone」は、泊氏とアールスリーインスティテュートとで開発したシステムがベースとなりますが、辻氏の事例のようにオリジナルにカスタマイズが可能です。

▶ サービスの詳細はこちらを御覧ください

https://insurance.r3it.com/