公開日:2021-09-03
物流センターのワークフローが必要でした。アールスリーと組めばkintoneを自走化できると確信できたので依頼しました
コベルコ建機株式会社
マーケティング事業本部 ショベル営業部 部品事業推進部
部品ロジスティックグループ アシスタントマネージャー 三橋 隆三 様
部品企画グループ アシスタントマネージャー 吉田 竜太郎 様
部品ロジスティックグループ 紫藤 菜々子 様
複数の物流センターを結ぶワークフローを整備したい
Q:kintone導入のきっかけを教えてください
三橋様
2020年4月に竣工の兵庫県加東市「東条パーツロジセンター」を新設する事になっていたのですが、主に問題点を2つ抱えていました。
1つは、当社の旧物流センター(明石市大久保町)には監査の対象となる大枠のプロセス以外に細かな業務手順が設定されていなく、案件完了までのプロセスが人によって違っていた事です。そのため管理者はセンター全体の業務量や問題点を的確に把握できず、改善もままなりませんでした。この仕組みのままでは増え続ける物流量に対応できなくなります。
2つ目は距離の問題です。これまで当社のオフィスは物流センターに隣接していたので倉庫スタッフと直接コミュニケーションできました。一方、新センターは離れた場所に建つのでこれまでの業務の進め方は通用しません。そこで多拠点から使えるワークフローシステムを開発することになりました。
物流のオペレーションには日々の改善が重要です。トライアンドエラーでワークフローシステムを組み替えることができたほうが業務がうまく回ります。そんな「ユーザー側で主体的にカスタマイズできるツール」として選んだのがkintoneでした。
アールスリーと組めばkintoneの自走化を実現できると見て取れたことが決め手
Q:開発会社にアールスリーを選んだ経緯を教えてください
三橋様
私自身のシステム開発の経験から「アールスリーと組めばkintoneの自走化を実現できると見て取れた」ので開発パートナーに選びました。私はツールの運用にあたり、情報システム部門への改変の依頼を極力避けたいと思っていました。しかし自部門でシステムを構築・改修していくにはJavaScriptがネックになります。そんな時、gusuku Customine(アールスリーが開発したノーコードでkintoneをカスタマイズできる開発支援ツール)のホームページを見て、これなら自部門でkintoneのJavaScriptカスタマイズができると思いました。
またアールスリー営業の林さんは初回の面談で私たちの構想を聞くと、その場でアプリのラフを描いてくれました。この様子を見てアールスリーがトライ&エラーで開発を進めるスタイルであることが想像できましたし、開発力があることも分かりました。加えて、今回の開発は2ヶ月という短納期でしたが対応いただけるそうです。これなら自社が目指すアプリができると判断し開発を依頼しました。
自社チームと委託先3社をつなぐワークフロー9種が完成し、アプリの内製化にも成功
Q:今回開発したkintoneアプリについて教えてください
三橋様
今回開発したkintoneアプリは、当社の各チームと倉庫業務の委託先3社をつなぐワークフローアプリです。当初は、約20個の業務手順を標準化しアプリを作るつもりでしたが、現場の方やアールスリーとも相談しながらワークフローの共通化等を行った結果最終的に9種に簡略化する事ができました。委託先は3社とも別の企業さんですが、業務内容が全く同じなので全社同じアプリを利用しています。導入後はアプリの改善や作成を社内で行っています。アプリリリース当初の拠点は2箇所でしたが、市川センターにもkintoneを導入し、3拠点間での運用を始める時には1社をkintoneに追加する設定も自社内で行いました。
業務の内容を深く理解してくれたから想定以上に良いアプリになった
Q:アールスリーとのアプリ開発の感想を教えてください
アプリ立上げ担当:吉田様
開発で1番大変だったのは業務フローの整理です。センターには販売から出荷まで多数の仕事があり、同じ業務でも人により細かなやり方が違っていました。そこで、その業務に1番詳しい人にやり方を聞きに行き、必要なものと不要なものを洗い出しました。これらの情報から考えたkintoneアプリのイメージをアールスリーに伝え、他にも必要な情報があれば教えてもらい、またそれにお返事していくことで開発が進みました。1週間に1回打ち合わせを行い、2ヶ月で20パターン検討しました。
嬉しい悲鳴なのですが、アプリの要件定義をしたら1週間ぐらいでたたき台ができるのかと思っていると、何と翌日にできあがってきました。開発スピードが想定の数倍早く、おかげで私の想定以上にアプリを作り込むことができました。
アールスリー開発担当の田邊さんと鈴木さんには信頼しかなかったですね!私は開発に携わるのは初めてでしたが、お二人に頼っていれば大丈夫だと安心して進められました。それはお二人が業務の内容を深く知ろうとしてくれたからです。開発したアプリは、業務内容を知らない人には理解が難しいものばかりだったのですが、業務を深く知ったうえで業務フロー図を作成してくれ、「マスターデータを活用したらもっと効率化できる」などの提案もいただきました。おかげでとても使い勝手の良いアプリになりました。
アールスリー田邊より
短納期のプロジェクトだったのでどのアプリも猛ダッシュで作りました。まず、吉田さんにアプリ画面のイメージと基本の業務フローを教えていただき、アプリのたたき台を1〜2日で作成しました。
最後はアプリの動きを見ながら「このアプリでやりたいことができますか?」と相談しながら業務フローの漏れや権限周りの設定など細かい仕様をさらに詰めていきました。全アプリの業務フローを完全な形で整理するまでが開発の1番の山場でした。
アールスリー鈴木より
私たちが業務内容を深掘ったことに対して、吉田さんは必要な情報を社内から集めるだけでなく、その情報を受けてkintoneではこうしたいということまでフィードバックしてくださいました。お互いの協力があったからこそ今回の仕事が良いものになったと思います。
新卒社員がkintoneを学び、自作アプリで次々と部門に貢献
Q:kintoneアプリの内製化に向けて行ったことについて教えてください
三橋様
2020年4月、kintoneアプリのリリース時に開発担当の吉田が人事異動になったので、kintoneの運用を当時新卒で配属6ヶ月目の紫藤に任せました。新しい業務なのでまっさらな人が適任だったのです。今では、彼女が業務に合わせて主体的にアプリを洗練させており、部署に大きく貢献してくれています。
kintone運用担当:紫藤様
私はkintone納品に向けて事前に研修を受けました。まず、サイボウズ製品の研修プログラム「クラウドユニバーシティ」を通じて、kintoneとアールスリーの開発支援サービスgusuku Deploit(グスクデプロイット)・gusuku Customine(カスタマイン)の仕組みを学びました。eラーニングでした。次に、自社アプリについてアールスリーの鈴木さんから週1〜2回のレクチャーを受けました。鈴木さんは「困りごとを解決できるヘルプアプリ」も作ってくださいました。全部を理解するのに1ヶ月ぐらいでした。
最初にeラーニングで抽象的にアプリの仕組みを理解し、その後に自社アプリについて学んだことで自社アプリへの理解が深まったと思います。いきなり自社アプリを見たら、どんな機能があり、どのアプリとデータベースが繋がっているのかを理解できなかったかもしれません。この時eラーニングで学んだ知識は現在の開発ニーズをほぼ満たしてくれています。当時の私はシステムのことは全く知りませんでしたが、やってみたら意外にもできました。最初は難しそうと思ったものの、実際に触るとアプリができることが嬉しくて、楽しくて、時間はすぐに過ぎていきます。
紫藤さんの自作アプリ
在庫転送アプリ
拠点が増えたことで在庫を転送する業務が発生。アプリでワークフローを作ったことで理路整然と在庫転送が可能になった。
代理検収アプリ
東条倉庫だけが入荷を受け付けているが、時々明石倉庫に納品されることがある。その時に在庫データを一致させるアプリ。
多拠点・複数社をつなぐワークフローがうまく機能し、在宅勤務も可能に
Q:kintoneアプリの利用効果を教えてください
月86.9時間の業務を効率化
事務所と倉庫が離れた中で業務をつつがなく回せていて、変わらないアウトプットが出せるようになりました。そのうえ最初に導入した使用頻度の高い5アプリで、これまでExcelなどで行っていた業務を月86.9時間も削減できました。他にもアプリはあるので全体ではそれ以上の効果です。
数字の集計と分析をもとにした具体的な改善が可能に
これまでは感覚的に把握していたことを、数字で収集・分析できるようになったことで具体的な改善アクションを起こせるようになりました。例えば、サプライヤーごとにキズが入っている部品の入荷数を月単位・日単位で集計し、キズ写真の添付もしているので、具体的な情報を見ながら改善を話し合えます。
コロナによる在宅勤務を乗り切れた
想定外のポジティブなメリットもありました。東条パーツロジセンターのオープンとコロナは同時でした。FAX全盛の保守的な業界でありながら、全員が在宅勤務になり、全社員にパソコンが支給されました。この奇跡的なタイミングにkintoneを導入できたおかげで在宅勤務を乗り切れました。kintoneの検討段階ではマスクを付けている人は皆無だったのに幸運だったと思います。
当事者意識を持ち、自分の業務をどうやってシステムにするか真剣に考える
Q:発注者として開発で大切にされていることを教えてください
三橋様
ユーザー側に開発をするという当事者意識がないと、ベンダーにふんわりした指示を出して丸投げし、狙ったものができず水掛け論になってしまいます。システム開発においては、自分の業務をどうやってシステムにするかを真剣に考える必要があります。業務を標準化するにはフローを切り詰める必要もあるし、他部門を説得する必要もあるし、情報収集においては主体的な努力が必要です。これなくして良いシステムはできません。自分とベンダーどちらか一方向ではなく、双方向でないとシステムの開発は成功しないでしょう。
Q:最後にアールスリーの開発を検討している方にメッセージをお願いします。
アールスリーには当社の業務の理解・要望への柔軟な開発対応・自社運用に向けてメンバーへのレクチャーをしていただきました。結果として自社でkintoneを運用する体制が完成しました。アールスリーはこれを約2ヶ月という短期間で構築した高い力とポテンシャルを持っているベンダーさんです。
貴重なお話しをありがとうございました。
取材2021年7月
機能するkintoneアプリと内製化支援をワンストップで提供
業務のことを知っているお客様と開発ノウハウを知っているベンダー、どちらかが歩み寄らないとシステムは失敗します。私たちはお客様に歩み寄り、業務を深く知ることでシステムを成功に導く開発手法が得意です。
またアールスリーはkintoneを内製化されたいお客様向けに、アプリ開発のレクチャーや開発支援ツールを提供しています。機能するアプリの土台作りから、自社運用をスムーズに開始するまでをお手伝いします。