公開日:2025-01-09
アールスリーインスティテュートのデザイナーのまきんちょです!
今回は私がkintone認定アソシエイト試験に合格するまでの道のりをご紹介します。
kintoneとの出会い
2024年1月にアールスリーに入社した私ですが、それまでCybozuやkintoneという名前は耳にしたことがあったものの、一度も触れたことがありませんでした。業務効率化やチームコラボレーションに使われるツールだという話は聞いたことがありましたが、どれほどの規模で使われているのか、どんな機能を持っているのかは全くイメージできませんでした。
いざ入社してみると、予想以上に多くの企業で利用されていることを知り、驚かされました。
kintone認定アソシエイト試験について調べる
アールスリーでは、kintone認定アソシエイト試験に合格することが「人権」と呼ばれるほど重視されており、必須条件とされています。kintoneの基本的な理解と活用スキルは、アールスリーの業務を円滑に進める上で不可欠。試験合格は単なるスキル習得にとどまらず、チームの一員になるための通過儀礼ともいえそうです。
デザイナーの私も例外ではなく、「人権」獲得必須。まずはkintone認定アソシエイト試験について調べることにしました。
kintone認定アソシエイト試験には、受験者をサポートするために様々な教材が用意されています。公式の対策テキストや練習問題をはじめ、kintoneの基本操作や設定方法を学べるオンラインガイド、さらに具体的なケーススタディを学ぶための資料など、充実したリソースが揃っています。これらの教材を活用することで、初心者でも体系的に学習を進め、試験合格に向けた準備を効率的に進めることが可能です。
利用可能な教材
※2025年1月現在のものです。
種類 | 備考 |
---|---|
動画「kintone認定アソシエイト試験対策」 | 全48回。1.5倍速で見ると良い。大変お世話になった。 |
練習問題 | 練習問題1〜3まである。周回して大変お世話になった。 |
ガイドブック(PDF) | 「kintoneってそもそも何?」「どんなことができる?」を知るのによさげ。 |
サンプル問題 | ページ最下部の「サンプル問題に挑戦」ボタンで、5問お試しできる。 |
kintoneヘルプ | テキストしか出ないと思ったら意外とここも重要だった。 |
「kintone認定アソシエイト試験対策テキスト」 (第4版) | テキスト。全ての基本。 |
kintone認定アソシエイト試験 練習問題 復習用アプリ | 勉強中にリリースされていた復習用アプリ。 kintoneの勉強をkintoneを使ってできる。 |
クラウドユニバーシティ | 有料・要申込。3日間で学べるkintone 基本コースを受講。 kintone認定アソシエイト試験対策コースもある。 |
メモ
kintone認定アソシエイト試験対策テキストは「第3版」の方が練習問題が多いということなので、もし可能なら「第4版」をメインに勉強し、「第3版」を使って理解度をチェックするのが良さそうです。(私は手に入れそびれたので、「第4版」だけでやりました。)
【2025/01/09 13:53追記】
第3版の練習問題は、現在の試験問題に対応していないため、オススメできないとのこと。
第4版に対応した練習問題としては、Web上の練習問題が良いとのことでした。
お詫びして訂正致します。
受験までにやること
- ピアソンVUEアカウントを作る
- 行ける範囲に試験会場があるか確認する
- 試験日時をざっくり決める
- 勉強する
勉強ももちろんしなくてはいけませんが、なにはなくとも試験に申し込まなくては始まりません。kintone認定アソシエイト試験は、ピアソンVUEというシステムを通じて受験の申し込みをするため、受験の目処が立っていなくても、まずはアカウントを作っておくと良いでしょう。
というのも、アカウントを作ることで初めて、最寄りの試験会場や試験日程がわかります。具体的なイメージが湧き、スケジュールを立てやすくなります。
もし近くに試験会場がない場合はオンライン受験もできますが、もし直接会場まで行ける場合は現地での受験をおすすめします。
オンライン受験には当然ながらパソコンやインターネット環境、ウェブカメラが必要です。さらにシステムチェックの実行と、OnVUE アプリケーションの互換性の確認、また周囲に誰もおらず、何もない環境が求められます。面倒なので会場で受けた方が楽です。
受験するまでは「オンラインの方が楽では…?」と思っていましたが、試験はシステム化されておりスムーズに受験することができました。また、試験会場の人に合否はわかりません。結果の用紙を伏せた状態で渡されるので、不合格時の気まずさもありませんでした。(不合格になったからこそ分かります…!)パッと受けてパッと帰れるので、現地受験をおすすめします。
ゼロから合格までの軌跡
アールスリーでは全員がkintone認定アソシエイトを取得するので、「資格取得時にやったこと」を共有してくれています。それが非常にありがたかったので、自分もまだ見ぬ後輩たちのために記録を取ることにしました。
ここからはその記録と、合格後にkintoneアプリを使ってグラフ化したデータなどを元にお届けします。
合格までのスケジュール
内容 | 日にち | 備考 |
---|---|---|
アールスリー入社🎉 | 2024/01/01付 | 「kintone認定アソシエイト試験」に合格しないといけないらしい…? |
勉強開始日 | 2024/01/12 | 「kintone認定アソシエイト試験対策テキスト」が届いたのでゆるくスタート。 |
途中経過 | 2024/05/24 | トータル40時間勉強。まだ見通しが立たない。 |
2024/07/11 | トータル68時間勉強。ようやく練習問題が8割超え。 | |
クラウドユニバーシティ受講 | ・2024/06/06 kintone基本1 ・2024/06/13 kintone基本2 ・2024/07/18 kintone基本3 | kintoneの基本について、体系的に学べた。 |
資格取得目標 | 2024/7/16(火) | 68% 不合格(CybozuDaysで忙しくなる前に取ろうとするもあえなく失敗) トータル86時間勉強。 |
CybozuDays2024 | 2024/11/7(木)〜8(金) | 初CybozuDays! |
資格取得日 | 2024/11/22(金) | 71% 合格 🎉(CybozuDays後に再挑戦。) トータル135時間勉強。 |
勉強方法の割合
独学100%の方も多いと思いますが、私はクラウドユニバーシティの受講や会社の「もくもく会」などでアソシエイトの勉強ができたので、とても助かりました。
- kintone勉強:80.9%
(YouTube動画の視聴、テキスト、練習問題の周回など) - クラユニ受講:4.3%
(kintone基本1〜3を3日間かけて受講) - もくもく会:14.9%
(分からないことを聞いたり、勉強方法の相談に乗ってもらった)
アールスリーでは、社員が自主的に学習や作業に取り組むための「もくもく会」が開催されています。開催は週に1度/1時間で、参加者は以下の3つのカテゴリから勉強内容を選ぶことができます。
- 業務に直結しないこと
- 業務に近いけれど、まだ十分に勉強できていないこと
- 業務に直結すること(非推奨)
Zoomを使って通話をつないだまま進めるため、リモート環境でも一緒に勉強しているような雰囲気を感じられます。それぞれが自由にテーマを選びながらも、同じ時間を共有することでモチベーションが高まる場となっています。
業務時間中にも独学で勉強はしていたのですが、すでにアソシエイトに合格している先人たちに、聞きたいことを直接聞ける環境があるというのが大変ありがたかったです。
モチベーションが下がったとき、分からないことがあったときには、会社のSlackの #kintone-beginners チャンネルに助けられました。(みんなkintoneが好き&得意なので、積極的に助けてくれます✨️)
勉強時間の推移
- 1月〜3月:よくわかってない期
- 入社後すぐに「kintone認定アソシエイト試験対策テキスト」が届いたので、ゆるくスタートしました。とはいえ、入社当初はあまりエンジンがかかっておらず、通常のデザイン業務などもあったので、1ヶ月あたりの勉強時間は数時間にとどまっています。
- 4月〜7月:第1回受験期
- 4月頃から本格的に勉強を始め、7月16日に受験しています。合格ライン70%にわずかに届かず68%で不合格でした。トータル86時間勉強していましたがダメでした。
- 8月〜10月:繁忙期
- 8月〜10月はCybozuDays2024に向けてデザイン業務で一番の繁忙期に突入しました。デザインで振り返るCybozuDays2024でもお伝えしていますが、新刊4冊やノベルティのミント缶などのデザインをしていたため、「もくもく会」くらいでしかアソシエイトの勉強ができていない時期です。
- 11月:第2回受験期
- 11/22に受験し、合格ライン70%をわずかに上回る71%で合格しました。(ギリギリ😓)
正解がわからないまま進んだkintoneアソシエイト試験の勉強法
おおよその勉強方法としては、YouTube動画「kintone認定アソシエイト試験対策」を見つつ、「kintone認定アソシエイト試験対策テキスト」(第4版)をノートにまとめつつ進めました。
また、実際にkintoneを触ることでも学習しました。クラウドユニバーシティ受講時はkintoneの試用版を利用し、自身の学習ではkintone開発者ライセンスで勉強しました。テキストのスクリーンショット画像が見づらいときなどに重宝しました。(kintoneを触らずに合格した人もいるので、必ずしも必要ではないかもしれません。)
kintoneの試用版 | kintone開発者ライセンス | |
---|---|---|
無料期間 | 30日間無料 | 12ヶ月間無料 |
期間延長可否 | 不可 | 更新可能 |
また、テキストとYouTube動画以外に、ヘルプページも読むようにしました。制限値一覧ページをプリントアウトして載っていない制限値を追記して、暇なときに眺めたりもしました。
あとは単純に、テクニックとして問題に慣れていくようにしました。
- すべて選びなさい→2つ以上4つまで選択。(1つしか該当しない場合は絶対に間違い。)
- 「誤っているもの」「適切なもの」「正しいもの」などを見間違うと回答が逆転するので要注意。
テキストが半分ほど進んだ頃から、習熟度を確認するために練習問題の1〜3を周回しました。途中からすべて90点台が取れるようになったので1回目の受験をしましたが、結果は不合格でした。おそらく答えを覚えてしまっただけで、内容についての本当の理解ができていなかったんだと思われます。
2回目の受験前には、すべての選択肢で「どうして◯なのか/異なるのか」が答えられるようになることを意識して勉強しました。
「これなら合格できる!」という感覚にならないまま受験したのですが、なんとか71%で合格することができました。70%を少ししか超えてなくても、合格は合格だという開き直りで気持ちを取り繕いました。
試験よりも辛かったのはメンタルとの向き合い方
「kintoneアソシエイト 勉強」で検索すると、「満点合格」や「一発合格」、「1ヶ月で合格」などの文字が踊っています。これはつらい。また、アソシエイト自体が「基礎スキル」と銘打たれており、その響きからなんだか簡単そうに思えてしまいます。
私自身、漢字検定2級、色彩検定2級、英語検定2級などは一発で合格できたため、試験は割と得意だと思っていました。
ところが年齢のせいもあってか、新しい知識がびっくりするくらい頭に入ってきません。しかも、「必ず取らなくてはならない」というプレッシャーから、勉強自体も嫌になってきました。(アールスリーの名誉のために補足すると、誰も「試験を取れ」という圧力はかけず、そっと見守ってくれていました。)
1回目の受験はかなりの緊張で唾も飲み込めないほどでした。不合格になったときも、落ちて悔しいというよりも「一旦終わった」という安堵感の方が強かった気がします。
2回目の受験はいろいろな思いが交錯しました。「落ちてもまた受ければいい」とポジティブ(?)に思えるときもあれば、「一生受からんのとちゃうか…」というネガティブなときもありました。特に受験直前は、「もうkintoneアソシエイト難しすぎるから受けたくない🥺」と泣き言を言って(文字通り泣いていた)、小学3年生の長男に「そんな会社もう辞めな!嫌なら辞めるしかない!」と男前な金言を頂く体たらく…。(「でも会社を辞めたいわけじゃない」といって納得してもらった。)
今振り返って思うことは、
- 1回目から68%と惜しかったので、そのまま立て続けに受験してしまうのも一つの手だった。最初から合格圏内だった可能性大。
- 1回で受かろうと思わず、もっと気楽に何回も受けてもよかったかも。(お値段は気楽に受けられる感じではないですが。)
- 試験は同じでも、勉強方法や結果は10人受ければ10人違う。何でも参考になるし、何も参考にならない。
ということです。あまり思い詰める必要もないし、失敗してもまた受ければいい。ただ、当時はどうしてもそう思えませんでした。合格するまで続くモヤモヤなので、結局は合格するしかない。
合格して気づいた!kintoneの楽しさと奥深さ
合格後は「もう勉強しなくていい」という解放感から、しばらく浮かれて腑抜けていました。ただ、「せっかく覚えたkintoneを使わないなんてもったいない」という気持ちが芽生え、自分の勉強の記録をアプリにすることを思いつきました。
toggl trackという計時ツールを長年愛用しているので、それを使って勉強時間を計時していました。(無料で使えて便利です!)
toggl trackは計時した情報をCSVとしてエクスポートできます。「日時」と「勉強時間」、「勉強内容」の列だけを残し、kintoneのアプリに「ファイルから読み込む」ことができました。
これにより、この記事の本文中に紹介した
- 勉強内容の割合(円グラフ)
- 月別勉強時間(縦棒グラフ)
- 総勉強時間(縦棒グラフ)
など、勉強時間を可視化することができるようになりました。
最後に
kintoneアソシエイト認定試験に挑戦した当初は、勉強するのが大変で、正直「なんでやっているんだろう」と思うこともありました。でも、試験に合格してからは、これまで知らなかったkintoneの便利さや奥深さに気づき、使うのが楽しくなりました。
試験に合格したことが、新しい世界を知るきっかけになり、挑戦してよかったと(今は)心から思います。
この記事がこれからkintoneアソシエイト認定試験に挑戦する誰かのお役に立てば幸いです。
画面のカスタマイズ、自動処理(バッチ)、帳票出力といった「kintoneの”できない”を”できる”に」
gusuku Customineがあればkintoneらしさをそのままにkintoneをカスタマイズできます
投稿者プロフィール
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デザイナーです。
Webデザイン、コーディング、グラフィックデザイン、CMS構築までなんでもござれ!